玉座の間
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バーハ達をやり過ごした後、俺達は魔王城に向かっていた。
道中、ラグラの様に誰か現れる事もなく無事に辿り着くことができた。
「・・・・帰ってきた」
フィーリアは、実に数十年ぶりの我が家を見て感傷に浸っていた。俺は何も言わず少しだけフィーリアの好きにさせた。
「・・・・もう、大丈夫。ありがとう」
フィーリアが、こっちを見て柔らかく笑いお礼を言ってきた。これが、敵地のど真ん中でなければ見惚れていたかもしれない。けれど、そんな雰囲気をぶち壊す為なのか魔法が飛んできた。
「暴食」
俺は左手を向けて、その高威力な魔法を喰らった。
「随分と乱暴な歓迎じゃないか、お義父さん?」
俺は、こっちを見ているであろうフィーリアのお父さんに向けてそう言った。
「ちょっと!今の何処から飛んできたの?!」
「魔王城からだよ。あの距離からこの精度と威力が出せるなんて流石、フィーリアのお父さんだな」
「・・・当たり前」
「それよりも、さっきのお義父さんってどういうこと?」
「えっ!?いや、あれは!煽ってみただけだから!」
皇を、筆頭にジト目が向けられ俺が言い訳をすると
「・・・私、嬉しかったのに」
そこに、フィーリアまで乗ってきて収集がつかなくなった。
「おい!フィーリアまで乗るなよ!あぁ!もう!行くぞ!」
俺は、戦略的撤退として逃げる事を選んだ
「・・・あっ、逃げた」
「逃げましたね」
後ろから、女子達の楽しそうな笑い声が聞こえてくるが何も聞こえてないふりをした。その中に、朱堂達の声も入っていたので後で、シメると思いながら俺は前に進んでいった。
近づくまでに、流石の対抗があるかと思ったがそんな事はなくすんなりと魔王城まで辿り着いてしまった。
ここまで、易々と辿り着くと何かの罠かと疑ってしまうが罠なんて一つもなかった。それどころか、兵士が1人もいなかった。
「流石におかしいですね」
ルシフェルが、この状況を見てそう言った。
「あぁ、流石に兵士が1人もいないのはおかしい。予想としては、侵攻の為にここを離れたかだが、結局守る兵士が1人もいないのはおかしいって話に戻るんだよな」
俺達は、とりあえずフィーリアの家族がいそうな玉座の間に向けてフィーリアに案内されながら進んでいた。
しばらく歩き
「・・・・着いた」
俺達は、遂に魔王の元まで扉一枚隔てたところまでたどり着いた。
「全員覚悟はいいか?」
「・・・できてる」
「はい」
「もちろんです」
「血が沸るわ」
全員覚悟が出来ている様なので、俺は扉を開けた。扉を開き、中に入ると
「よく来たな」
フィーリアのお父さんが、椅子に座りながらこちらを見てそう言った。
その隣には、思念体の状態で会ったことのあるリーリャがいた
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