扉の先には
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俺は、頭の中に響いた声を描き終わりすぐにステータスを確認した。
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立花 祥太 16歳
暴■之■
体力 A
魔力 A
力 B
素早さ B
器用 A
幸運 SS
スキル
錬金魔法 硬質化 弾生成 浮遊
EXスキル
悪食(インペリアルタイガー・キングワーム・ガーゴイル)
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文字化けしているところは直らなかったが、今回は体力、力、素早さが一個ずつ上がった。正直、こんなに早く上がって大丈夫なのかと逆に心配になる。まぁ、その分強い魔物も戦っているんだけども。ガーゴイルはガーゴイルのままだった。そして、スキルだ。ガーゴイルはどうやら自前の翼で飛んでいたわけではなかったみたいだ。まぁ、壊れかけとはいえ自重で壊れるんだ。普通は飛べないか。
ステータスの確認をしている間に、離れていたフィーリアがやってきた。
「フィーリア、すごい助かったよ!」
「・・・・ふんっ!」
俺は、フィーリアに今回の戦いですごい助けられたのですぐにお礼を言ったら、フィーリアはドヤった。可愛い。
すると、何かに気づいたのか駆け寄ってきて俺に魔法を使った。
「・・・・癒せ」
一言そう言うだけで、フィーリアは魔法を発動させる。そして、言葉の通り肋が折れていた俺の身体を治してくれた。戦闘によるアドレナリンドバドバのせいですっかり折れている事、忘れていた。
「ありがとう」
「・・・・無茶はダメ」
お礼を言うと、フィーリアから注意されてしまった。どうやら吹き飛ばされた時かなり心配させたみたいだった。
「でも、俺達凄い連携だったような!言葉にしなくても相手の思う事が分かったよな!」
「・・!!!!」
俺は、興奮冷めやらぬ前にフィーリアに先の戦闘の感想を伝えると同じ思いだったのかフィーリアと凄い勢いで首を縦に振った。
「ふぁ〜、少し休憩するか」
幾分か、クールダウンし傷が治ったとはいえ戦闘の疲れが出てきて欠伸をした。
「・・・・・ぅん」
フィーリアも疲れがあるのか眠そうだった。
俺達は、壊れることのなかった建物の中に入り休む事にした。
しっかりと、疲労を取り探索に戻った俺達はいかにもな扉を見つけた。
「なぁ、フィーリア」
「・・・・・なに?」
「この扉どう思う?」
「・・・・・ダンジョンのボスがいそう」
フィーリアに、問いかけると俺と同じ答えが返ってきた。
「だよな〜」
今までは階段だったが、この場所には階段は無くあるのはこの厳かな扉のみ。
この扉を開ける前に、一度だけ見せてもらったフィーリアのステータスを見た。
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フィーリア・アレクシア 16歳
魔王の娘
体力 D
魔力 S
力 C
素早さ D
器用 SS
幸運 B
スキル
元素魔法 回復魔法
EXスキル
魔力支配
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最初にこのステータスを見た時には驚いた。何たって魔王の娘だったんだから。俺達がこの世界に召喚された理由が魔王を討つ事だっただけにこれを見た瞬間警戒したが、俺を殺せる瞬間なんていくらでもあった。それこそ、最初に後ろにいた時に。だから、無駄な警戒はやめた。決して可愛かったからとかではない、ないのだ。
そして、この完全に魔法職に特化したステータス。魔力はSもあり並大抵の魔法じゃ枯渇はしないだろう。そして、器用はSS。これは、フィーリアから聞いたがEXスキルの魔力支配を扱うための特訓をした副産物らしい。
魔力支配の能力は、魔法を使う者から絶対に羨まれるスキルだ。普通の人は自分の中にある魔力を操り魔法を発動させる。しかし、このスキルは空気中にも存在する魔力を使い魔法を発動させる事ができるのだ。つまり、このスキルを持っている者は実質的に魔力は尽きることはない。
けど、当然メリットばかりではなく、デメリットもある。自分の魔力じゃない魔力で魔法を発動させるので、そもそも魔法が発動せず不発に終わるか、神経を使うので撃てたとしてもロスが激しく割に合わない。
自分の魔力で魔法を発動すると10の魔力で魔法を使おうとすると8で発動し2ロスしているのだ。そして、空気中の魔力でやろうとすると10使い3〜4で発動する。つまり、7〜6もロスをしているのだ。
こんなある意味イカれたスキルをフィーリアは、ほぼ完全に使いこなしている。フィーリアは空気中の魔力を10使い8〜9で発動させるのだ。このロスを少なくしていく内に器用がSSまでいったらしい。
凄いやつだと、普通に感心する。
「改めて見ると、凄いステータスだよな」
「・・・・・ショウタの方が凄い。そんなに早く上がるなんて聞いたことない。それに、スキルも増えてる」
「あーまぁ、俺も俺でおかしいよな。やっぱ」
「・・・・うん」
お互いに、おかしなステータスを実感し無言になった。
「・・・さて!ステータスも改めて確認できたし。行きますか」
「・・・・・ついていく」
俺達は、気を取り直して気合を入れると扉を開き中に入った。
中は、ひたすら白い地面が延々と伸び続けている部屋だった。今までにないパターンだった。警戒しながら奥に進んで行くと。
一際目立つ存在がいた。女性だと思うそいつは、鎖で身体中をグルグルに巻かれ微動だにせずに立っていた。
俺は、今までのパターンから目の前にいるこいつが倒す敵だと思い警戒を最大にまで引き上げると、女性の口が開いた。
「・・・っ!・・・・深層にて侵入者を確認。命令に従い排除します」
感情のこもっていない平坦な声で女性はそう言った。
俺は、喋る前に何処か不自然さを感じたがその後の物騒な言葉を聞き、戦闘態勢に入った。
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