それぞれの道
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「何か、不思議な感じね。覚えていないのになんだか久しぶりな感じがする」
「私もです」
「これから、どうするの?」
「友達を支えようかと、それと・・・」
フレンは、こっちを見て何かを言いたそうにしていた。
「ん?どうした?」
「なっなんでもないです!」
「ふ~ん、そういう事。私が言えた事じゃないかもだけど後悔しないように楽しく生きなさい」
ルミさんは、フレンを見つめそう言った。
「はい!後悔しないように頑張ります!」
「えぇ、頑張りなさい。まだ、やる事があるんでしょ?」
「うん・・・」
「なら、もう行きなさい。あなたの友達が待ってるわ。それに、彼の周りには魅力的な人が沢山いるみたいだからガツガツいきなさい!」
「ちょっと!お母さん!?・・あっ」
「ふふ、いつでもそう呼んでいいのよ」
「うう・・」
「これだけは覚えておいて、あなたの帰る所はここにもあるという事を」
「・・はい!じゃあ、行ってきます!」
フレンは、耐え切れなくなったのか走ってカーラの元に向かった。
「それじゃ、俺達も戻りますね」
「立花さん、あの子の事どうかよろしくお願いします」
ルミさんは、改めて俺に向かって頭を下げて頼んできた
「ルミさん・・もしかして、覚えているんじゃ・・」
「いえ、覚えてはいません。ただ・・」
ルミさんは、指から指輪を外したと思ったら中から一枚の写真を取り出した。どうやら、魔法具で中に入っていたみたいだった。その写真を見せてもらうと
そこには、ルミさんとマックスさんの間に満面の笑みのフレンが写っていた。仲がよさそうな家族写真だった。
「これって、写真・・・」
「えぇ、これを初めて見た時この真ん中の子は誰なんだろうと不思議に思っていました。けど、今日フレンの顔を見て分かったんです。この子が写真の子なんだって。まさか、娘とは思いませんでしたけどね・・」
「そうか・・いいのか?それをフレンに見せなくて」
俺がそう言うと、ルミさんは首を横に振った。
「いいんです。あの子はもう自分の人生を歩もうとしています。それを、私1人の感情で縛りつけては過去の私に叱られてしまう」
「そう・・・ですかね」
「そうなんです。私がそう思うんですから、なのであの子の事、よろしくお願いします」
「分かりました。任せて下さい」
「ありがとうございます」
俺は、その場を離れみんなの元に向かった。
「ねぇ、あなた。私達の娘は立派に成長していましたよ。まさか、こんな近くにいたなんてね。今日は驚く事の多い日だわ。さぁ、帰りましょう、貴方私達の家に」
ルミさんは、指輪に写真とマックスさんの身体をしまうと家に向かって歩き出した。
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