母と娘
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カーラはひとしきり泣いた後、再び眠ってしまった。泣き疲れたのだろう。
ベッドにカーラを戻すと、俺はフレンに再度聞いてみた。
「本当に大丈夫なのか?」
「はい、さっき言った事は私の本心なんです。薄情だと思われるかもしれませんけど」
「いや、思わないよ。誰もフレンの事を悪く思う奴なんてこの中にいないから安心しろ」
「はい!」
「さて、次だな。マックスさんの奥さんの所に行くぞ」
俺達は、マックスさんの最後を報告する義務があると考え奥さんの元に向かった。みんなの足取りは重かった。
みんながカーラの部屋から出ていった後、俺は残っており
「良かったな。カーラ」
「・・・っ・・・ずっ・・・」
俺はカーラがベッドに寝転がった時には起きているのに気づきフレンに再度質問した。気を使わない時に
俺は、何も言わず部屋から出てみんなの後を追った。
しばらく歩き、マックスさんの奥さんがいる場所にたどり着いた。
そこには、護衛をしていたアリアさんとノートがいた。
「みんな!無事だったんだね!」
「もう終わったんですか?」
何も知らない2人は、俺達の無事を喜んでくれたが後ろに奥さんがいると思うと素直に受け止めれなかった。
そんな様子にアリアさんは気づいた。
「何かあったのね・・」
「あぁ、奥さんに話しがある」
「私ですか?」
「初めまして、立花祥太と言います」
「これは丁寧に、私はルミと言います。最近の冒険者さんはとても礼儀正しいのね」
「ルミさん。すみませんでした」
俺が頭を下げた後、マックスさんの最後を見たメンバーみんな頭を下げた。
「え〜と、どうして謝るのかしら?」
「マックスさんと会ってあげてください」
俺はそう言って、マックスさんの体を取り出すとルミさんの前にゆっくりと置いた。
「あ・・なた?」
ルミさんは、ゆっくりと近づいていくとマックスさんの身体に触れ冷たい事を感じた。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!」
ルミさんは、涙を流しマックスさんの身体に抱きつき泣いた。
「ごっごめんなさいね。見っともない所見せたわね」
しばらく泣くと、落ち着いたのかルミさんはこっちを向いた。
「いえ、泣くのは当たり前だとおもいます」
「それで、その説明してくれる為に来てくれたんだよね?」
「はい、」
俺は、ルミさんにマックスさんと知り合った経緯から最後の瞬間までを説明した。記憶の事についても話した。
「そう、この人は最後まで人を守って・・・それに、貴方が私達の娘なのね」
「はい、そうみたいです」
母と娘が、久しぶりに顔を合わせた。感動の再会とはならなかったが
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