龍王
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時間は少し遡り、枢機卿との決着がついたその頃
なんとか善戦をし、頑張っていたがそろそろ限界だった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
至る所が、ボロボロで痛い所が多すぎてどこが痛いのか訳が分からなかった。ベヒモスは、ゆっくりと近づいてきて目の前に立つとトドメを刺そうと手刀で突き刺そうとした。
俺は覚悟を決めて、目を瞑りその瞬間を待ったが痛みはいつまで経っても来ることはなかった。
不思議に思い、目を開け上を見ると目の前で手刀が止まっていた。
「べ・・ヒモス」
その瞬間、ベヒモスの首についていた光の輪が割れ、目に光が戻ってきた。手刀の腕は垂れ下がり、ベヒモスは泣いていた
「何故、もっと反撃してこなかった。何故、手加減なんてしたのじゃ」
「それは・・ベヒモスが大切な仲間だからだよ」
「お主は本当に馬鹿じゃのう・・」
そう言いながら、ベヒモスは俺の体を優しく抱きしめた。
「ベヒモスまだ終わってない」
「あぁ分かっておる。フィーリアの近くに強いのがおる」
「分かってるか、なら頼んだ。その姿の事とか、終わった後にゆっくり話そう」
「もちろんじゃ、我が主様よ」
その瞬間、ベヒモスと何か見えない繋がりができた気がしたが気が抜けたのか段々と意識が遠のいていった。
「後は、頼む」
「うむ、では行ってくる」
その会話を最後に、俺は気を失った。
そして、場所は戻り
「たかが、魔物一匹増えた程度で僕に勝てると思うなよ。僕は怠惰の力を司る7つの大罪の魔人の1人ベルフェゴールだぞ」
「・・・そう、なら私は魔王の娘」
「我は地の王ベヒモスじゃ。相手として不足はないじゃろう」
戦闘は唐突に始まった。ベヒモスが前衛で突っ込み、フィーリアが魔法で攻撃していくが
「ふわぁ〜、えい」
その瞬間、魔法は止まったかのように動かずベヒモスも前に進む事ができなかった。
「君達の周りの時間だけ遅くした。だから僕には、どんな攻撃も当たらない」
「なんのこれしき!!」
ベヒモスは、力をこめると徐々にだが動きの速さが戻ってきた。
「あれ〜おかしいな〜」
ベヒモスは、そのまま速さを取り戻すとベルフェゴールをぶん殴った。
「ぶっ!」
ベルフェゴールは、後ろに吹き飛んでいき壁にぶつかりそうになったが、自分の時間を遅くして衝突を防いだ。
「何が起きてる・・いきなり強くなった」
「力が湧いてくる」
「・・・ベヒモス。姿が」
ベヒモスは、近くのガラスに近づき自分の姿を見るとツノが前より立派になり、鱗の色も変わっていた。
「龍王・・・」
ベヒモスは、自分の姿を見てそう呟いた。
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