親子
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「フレン・クラークいや、フレン・アスラート君はそこの罪人の娘だ」
「どういう事ですか?枢機卿」
「言葉のまんまの意味だよ。君はそこの罪人の娘なんだよ」
「でっでも!私は、この人と会ったのはつい最近ですよ!」
フレンは、まるでそんな事は絶対にないと言いたげな雰囲気だった。
「フレン・クラークとして会ったのは初めてかもね」
「へ?」
フレンは、一杯一杯なのか頭が理解に追いついていなかったので、当の本人よりはまだ少し冷静な俺が変わりに質問した。
「仮にフレンがマックスさんの娘だとして、どうして2人はいや、3人はその事を知らない?」
「それはね・・・・私が記憶を弄ったからだよ。フレン・アスラートとしての記憶を消し去り、聖女としてのフレン・クラークとして生きていたという事実にね」
「なっ!」
枢機卿は、なんて事もないみたいにサラッと言った。
「お前!自分が何をしたのか分かっているのか!」
「もちろん。自分がした事は分かっているつもりだが?」
「こいつっ! フレンの記憶は全て偽物の記憶って事か!」
「いいや、娘との記憶本物だ。実際仲が良かった。だから、あの時の事件の時にも彼女はいたよ。そして、私はその場にいた彼女の記憶を弄り聖女とした」
「どうして!そんな事をする必要があった!」
「奴は、聖女を狙っていたと言っていたんだ。ならば、聖女が生きていると奴が知ればもう一度現れると思った。まぁ、結果は来なかったんだけどね」
俺は、もうこいつの声は聞きたくないと次で最後の質問にする事に決めた。
「最後だ。フレンの記憶は戻せるのか?」
「無理だ。言っただろう。消し去ったと、新たな記憶を植え付けるには前の記憶は邪魔になる。だから、完全に消えている。戻る事なんてありえない」
「うっ・・・ぐすっ・・」
フレンは、マックスさんの体に顔をあて涙を流した。
「おまっ!」
「あああああ!!!!」
俺が言い返そうとした時、横を猛スピードでベヒモスが駆けてゆき枢機卿に殴りかかった。
ギィィィィン!!!
しかし、拳は目の前の障壁に防がれた。
「危ない、危ない」
「なに?!」
「君達の事は、調べがついている。君は地の王、ベヒモスだね。ほんと、どうやってこの国に入ったのか視界に入るだけで煩わしい。せめて、私の役にたってくれたまえ」
「離れろ!ベヒモス!」
俺は、嫌な予感がしてベヒモスを下がらせようとしたが一歩遅かった。
「隷属の鎖」
枢機卿が、スキルを発動した瞬間鎖が枢機卿の身体から飛び出してきてベヒモスに絡み付いた。
「ベヒモス!!」
「すまぬ。ぬかったわ」
その瞬間、ベヒモスの目からハイライトが消え首に光の輪が出てきた。
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