娘
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「終わったぞ」
枢機卿に、向かってそう言うと
「・・・・・・」
枢機卿は、下を向き肩を震わせていた。悔しさで打ち震えているのかと思っていたら。
「くっくくっあははははは!!!」
いきなり、高笑いし始めた。
「何がおかしい?」
「これは、失礼。失礼。まさか、あれで終わりだと?」
「もう、地面の揺れは感じないぞ」
「そうですね。確かに貴方はここの下にいた亡者は倒してしまったのでしょう。けどね、このスキルって結構広いんですよ」
「まさかっ!」
「ええ!この国、いや周辺の森までこのスキルの範囲は及びます!大量の魔物がこの国を襲います!その原因は、魔物によって聖女が眠られてしまったからだと言えば、市民達に反対派はいなくなり。これで、全ての魔物を殺し尽くす事に全力を出せる!」
「そんな事していいと思っているのか!!」
俺がそう言うと、枢機卿はいきなり真顔に戻り
「ダメ・・でしょうね」
頭が狂ってしまったのかと思っていたら、そんな事はなく枢機卿は狂ってはいなかった。
「でもね・・娘を助ける為ならば親というものは鬼にも悪魔に魂を売ることもできるんだよ」
「そんな事して」
「娘は喜ばない、かい?そんな事は分かっている。けどね、頭で分かっても心が納得できないだよ。だから、私はこの国を使い復讐を果たすその為に・・・」
枢機卿は、そこでフランを見て
「君にに生きてもらっていては困るんだよ」
その瞬間、天井から暗殺者が降りてきた。
「くそっ!」
相当隠密に長けていたのだろう、今の今まで気づくことが出来なかった。フレンの胸にナイフが迫り刺さってしまうその瞬間
「ぐっ」
マックスさんが、フレンを庇い代わりに刺された。
「この野郎!」
俺は、すぐさま接近し暗殺者を吹き飛ばした。
「マックスさん!」
「ど、どうして・・・」
「なぜ、だろうな。身体が・・勝手に動いちまった」
「皇!頼む!」
「今やってる!」
マックスさんからナイフを抜き、床に寝転ばせると皇に任せた。しかし、一向にマックスさんの容態は良くならなかった。
「どうして!ちゃんと、回復魔法は発動しているのに」
「無駄ですよ。先程のナイフには毒と強力な回復阻害が付与されている。もはや、死の呪いの短剣だよ。それは」
「そんな・・・」
「にいちゃ・・ん。妻と娘・・を頼む」
マックスさんは、そう言うとフレンの頬を撫で息を引き取った。
「あぁ、任せてくれ」
「死んだか。一つお前達に良いことを教えてやろう」
「なんだ」
「そこの罪人の娘の事は聞いているか?」
「あぁ、知っているがそれがどうした?」
「その罪人の娘は、そこにいるフレンなんだよ」
「はっ?」
「え?」
「フレン・クラークいや、フレン・アスラート君はそこの罪人の娘だ」
枢機卿の突然の告白に俺達は固まる事しかできなかった
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