決着
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「ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」
奥の方から咆吼を上げながら、向かってきているバケモノを見据えて
「ふ〜見せてやるよ、バケモノ。これが、本当の暴食だ」
俺は、暴食の力をほんの少しだけ解放した。その瞬間、黒い靄が溢れた。異様な気配を感じたのか、バケモノは急停止して様子を見た。
あの時、暴走してからなんとなくの使い方が分かり、練習していた成果をおいそれと試せる相手がいなかったので、ちょうど良かった。目の前の相手になら遠慮なく振る舞える。
「さぁ、第二ラウンドだ。簡単に死んでくれるなよ」
俺の圧に押されたのか、バケモノは半歩後ろに下がった。それが無意識だったのか、自分が下がった事に気づいた瞬間
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」
咆哮を上げて、恐怖心を打ち払うと突っ込んできた。俺は、その場から動かずバケモノの拳があと少しで届くというところでバケモノの腕は無くなった。表面に出ている黒い靄に触れた瞬間、まるで元からなかったかのように消失した。
「?!?!!?!?!」
バケモノは、何をされたのか分からず大きく後ろに飛び退いた。
「どうした?もうお終いか?」
「ガア"ア"ア"!!」
腕を再生させると、再度突っ込んできた。今度は、正面からではなく急角度で曲がり後ろから殴りにきたが結果は同じ事だった。
「無駄だよ。いくら再生させようともうお前は俺に指一本触れる事はできない」
「ググググ・・」
「今度はこっちからいくぞ!」
それからは、一方的な戦いだった。暴食の力で奴の、身体を喰らってゆき再生が追いつかなくなるまで追い詰めた。
「ア"・・・ア"・・」
バケモノは、身体が随分と小さくなっていた。
「これで、最後だ」
俺は、暴食で止めをさそうとした時、
「コ・・ロ・・シテ・・」
バケモノから声がした。
「モウ・・・イヤ・・タスケテ・・」
暴食で喰らったことによって、バケモノとして構成されていた部分が薄くなった事によって元の人間だった部分が出てきた。
「分かった。今楽にしてやる」
俺は、暴食で全てを喰らった。喰らった瞬間、
「ありがとう。お兄ちゃん」
幼い子供の声が、聞こえてきた。
「遅くなってごめんな。報いは必ず受けさせるから」
俺は、上を見上げながらそう誓った。
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