出会い
アクセスありがとうございます!
今俺の目の前には、立派な城があった。
ここにたどり着く前に何回か階段を降りており、その前までは、何だったのかってゆうぐらい特に苦戦することなく下に降りてきた。
「なんでこんなところに城が?まぁ、それをいったら森や砂漠があったのも謎か」
自問自答の上、考えても仕方ないと判断しとりあえず城の中に入ってみることにした。
城の中に入ってみると、中は以外にも綺麗だった。ダンジョンの中にあるのだからもっと薄汚れているものかと思ったが、そして、ふとここまで来るのに通った道の周りを思い出した。城の事しか頭になく周りの事について考えていなかったが草や木は勝手に生い茂る事もなく明らかに人の手が加えられていたし、その道にも落ち葉一つ落ちていなかった事からこの城には誰か、今の所敵か味方か分からないが誰かいる事だけははっきりした。
俺は、城の中を歩き回って探索しているとエルドリア王国でも見た謁見の間に入る為の扉があった。
「こういう所は、どんな城においても同じなのかな。さて、鬼が出るか蛇が出るか」
俺は扉に手をかけて、開いていった。
慎重に中に入っていくと、目の先には王様が座るような玉座があった。中に入って体感数分が経過したが何も出てくる事はなく拍子抜けしてしまった。
「本当は誰もいないのか?綺麗な状態が保たれているのはただ単純にダンジョンにそういう機能があったって事なのかね〜」
そう独り言を、呟き。最近独り言が多くなってきてるなと思いながら再び探索を再開する為にここを出ようと後ろを振り返ると
そこには、絶世の美少女がいた。女神と言われても信じるくらい目の前にいる彼女は綺麗だった。神が作ったと言われても信じるだろう。暗い紫色の髪に、綺麗な赤い目、控えめな胸ながらもスタイルが良く、逆にそれが彼女の綺麗さを引き立たせていた。
俺は、彼女に見惚れてしまっていた。この城に、人がいた事もそうだが気配もなく後ろに立たれていた異常性に気づく事なく。
俺が何も言わないからなのか、彼女の方から声を掛けてきた。
「・・・・誰?」
喋り始めるまでに長い間があったが、一言、彼女の口から紡がれた。彼女の声は澄んだ川のように綺麗だった。
「立花祥太です」
今のところ、彼女から敵対的な感情は感じなかったので、名前を名乗った。
「・・・・ここにどうやってきた?」
「ダンジョンの入り口から入ってきて、トラップで転移してそのまま階段を降りてきたらここに辿り着いた」
「・・・・・そう」
彼女の喋り方は、こちらを警戒してるとかじゃなく単に彼女自身の喋り方だったようだ。彼女は聞きたい事を、聞いたのか返事をしてから黙ってしまった。
沈黙の空気が漂い、居心地の悪さを感じたので今度はこっちから質問してみた。
「君の名前はなんて言うんだ?」
「・・・・・フィーリア」
「どうしてここに?」
「・・・・・お父様とお母様に連れられて」
「そのお父様のお母様は?」
「・・・・・・・・・・いない、私を置いてどっか行っちゃった」
ここに、フィーリアを連れてきたお父様とお母様の居場所を聞いたら、フィーリアは一瞬だけ表情に悲しげな面を見せてすぐにさっきまでの無表情に戻り、長い間の後、淡々と答えた。
再び沈黙の空気になると、今度はフィーリアが口を開いた。
「・・・・ショウタも、ここを出てく?」
無意識か、意識的かは分からなかったがその言葉には何処か寂しさが含まれていた。
一瞬迷ったがここで、言葉を濁したとしてもいずれはバレるので正直に答えることにした。
「あぁ、このダンジョンを出て心配しているであろう奴らに会っておきたいからな」
「・・・・・そっか」
そう言って、フィーリアは顔を伏せた。その顔の下には悲しげな表情があるのかと思うと心が痛んだ。
「・・・・・じゃあ、私もついてく」
フィーリアが、顔を上げるとそこには悲しげな表情ではなく、うっすらと微笑みながらそう言った。
「・・・・・へっ?」
一瞬フィーリアが何を言ったのか理解ができなかった。俺の間抜けな返事を聞こえなかったと思ったのか
「・・・・・・じゃあ、私もついていく」
先程と同じ言葉をリピートされた。
「いやっ聞こえてたから!理解ができなかっただけで!ていうかなんで!?」
「・・・・・ここにいてもつまらない。ついて行った方が面白そう」
少しだけ、一目惚れされたのか!と思ったがフィーリアの口から出てきた言葉に冷静になり、恥ずかしい事を思ってしまったと、顔が熱くなり穴があったら入りたいと思った。
「・・・・・ダメ?」
下から上目遣いで、首を傾げながらそう言ってきた。めちゃくちゃ可愛かった!俺は即答していた。
「いいに決まってる!」
了承してから、やってしまった!と思いフィーリアの方を見ると
「・・・・やった」
微笑みながら、小さく喜びの声を上げているのを聞いてこれは、もう訂正できないなと思った。
「まぁ、最近1人じゃ寂しかった所だし、こんな可愛い子と探索できるなら結果オーライかな」
俺の独り言に反応してフィーリアは首を傾げて何を言っているんだろうっていう目で見ていた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!