取り引き
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「なんで、あんたがここに・・」
「今は、何も言わず従って下さい。奥さんも他の仲間が保護に行っているので」
「っそうだ!」
そう言うと、マックスは両隣の仲間の方を見てそちらも剣が止められて生きている事に、安堵した。
「良かった・・」
「まだ、安心するのは早いですよ。ここから逃げないとっ!」
マックスさんと、こそこそ話していたらいきなり剣の重量が上がり一瞬だけ驚いた。
「あぶねー」
「ちっ何故耐えられるんだ」
「鍛え方かな?」
「このっ!」
相手の意識が完全にこっちに向いた瞬間
「TとS!抱えろ!」
俺が大声を上げ、何かを指示したがそれが誰なのかよく考えれば同じ舞台上にいるもう2人だと分かるが、一瞬だけ誰だろうと考えた。その、判断の遅れの隙をつき俺達は大の大人を抱えステージ上から離脱した
「何をやっている!今すぐあの賊供を捕まえろ!」
後ろの方から、神官服の男の怒声が聞こえてくるがすぐに聞こえなくなった。
そして、ベヒモスとフレン、皇達がいる場所まで辿り着いた。
「おっ帰ってきた!」
「どうやら助ける事はできたみたいね」
「じゃから、言ったろ。ショウタは、あの程度で苦戦はしないって」
ベヒモスは、何故か涙目になっているフレンに話しかけていた。
「何かあったのか?」
「いや、お主らが心配をしていただけって話よ。わしらが余りにもお主らのことを心配せずに話していたからな」
他のみんなは、俺達の特に俺の力の事を知っているし見ているのもあって大抵の事では、心配しなくなっていたのですっかり忘れていた。
俺は、フレンに近づいていき
「心配かけてごめんな」
その頭を撫でながら、フレンに謝った。
「私が勝手に心配しすぎただけだから・・・」
「それの何が悪い?俺は心配してくれて嬉しかったぞ。しっかり俺達の事を思ってくれていると分かるからな」
「っ!でも、皇さんや赤城さん、ベヒモスちゃんは心配する事なく必ず帰ってくるっていう信頼を感じました・・」
「そういうのは、時間がなんとかしてくれる。もし、これから、一緒にいればいずれ分かるようになるよ。あの3人のようにね」
「・・・分かった」
フレンは、納得したのか涙を袖で拭いベヒモス達の方に向かった。
「さて、マックスさん。これからどうする?」
「厚かましいお願いになるが他の仲間も助けてほしい。まだ、たくさん捕まってる仲間がいる・・・」
「何を対価に出せる?」
今まで、そんな事を言わなかったのに、いきなり対価を求めて俺に周りのみんなはびっくりしていた。特に顕著だったのはフレンだった。
「何を言ってるんですか!ショウタさんは、対価を求めるために助けたんですか?!」
「あぁ、今回は、無償で助けるのは無しだ」
「っ!!見損ないました!あなたは、最低な人です!」
フレンは、怒って皇達の元に走りよっていった。
「それで、何を出せる?」
「お金なら、多少は払える」
「俺もだ!」
「全財産あんたに渡す!」
マックスさんに続き、その仲間の2人は一緒に払うと言ってきた。
「そんなものいらん!俺はお腹が空いてる。それに、仲間には食べれなかった者もいるんだ」
俺の、発言に何が言いたいのか分かったのかマックスさんは涙を流した。
「たったっぷり!揚げ肉食わしてやる!それこそ!食べ切れないほどな!」
「よっしゃ!契約成立だ!忘れんなよ!」
「当たり前だ!この恩は絶対に忘れない!」
そんな俺達の会話を、聞きベヒモスが少し怒った様子でこっちに歩いてきた。
「どういう事じゃ?お主。最初からそう言っていればフレンが悲しい思いをしなくても良かったんじゃないか?」
「かもな、」
「ならば、何故!」
「今回、マックスさん達にも頑張ってもらうからだよ」
「どういう事じゃ?」
「全部が全部。おんぶに抱っこじゃ、仮にこの騒動にかたがついたとして余所者が勝手に解決したってだけじゃまたいつか同じ事が起きるだろ。だから、マックスさん達にも頑張ってもらうために少し発破をかけたんだよ」
「お主、紛らわしいにも程がある!」
ベヒモスが頭を叩いてきたのを俺は避ける事はせずに受け止めた、少し、意地悪だった自覚はあるからだ。
「お主、後でしっかりとフレンに謝っておけよ」
「分かってるよ。さて、マックスさん達の意思ははっきりと伝わってきた!美味しく揚げ肉を食べるために頑張りますかね!」
俺達は、まず仲間のところに合流する事にした
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