疑問
読みに来てくれてありがとうございます!
俺達が近づくと、揚げ肉におじさんはこちらに気付いた。
「おっ兄ちゃん。兄ちゃんも抗議に参加するか?」
おじさんは、俺達が一緒に抗議しに来たのかと思ったのか誘ってきた。
「いや、少し情報収集に街を回っていただけだから参加はやめとくよ」
「そうか。それは、残念だ」
おじさんは、一応聞いてみただけだったのかあっさりとした対応だった。俺はおじさんがどうして抗議に参加しているのか聞いてみた。
「おじさんは、どうして抗議しているんだ?」
「俺の妻が、獣人の亜人なんだよ」
その言葉で、十分だった。おじさんは、愛する人の為に頑張っているだけだった。
「そういえば、俺の名前をまだ教えていなかったな。俺の名前は、マックスだ」
「俺は祥太だ。こっちがフレンダ、朱堂、皇、赤城だ」
フレンという名前をそのまま使うと、怪しまれる可能性があるという事で最初にフレンが名乗ったフレンダを偽名で使う事になった。本人も、しっくりくるらしく問題でないそうだ。
「おう!よろしくな!それにしても、フレンダちゃん。俺の娘とそっくりだな」
フレンは、じっと見られ皇の後ろに隠れてしまった。
「フレンダは人見知りなんだ。悪気はないんだ」
「いや、急にじっと見てしまった俺が悪かった。ごめんな、フレンダちゃん」
「それにしても、マックスさん。娘が居たんだな」
「あぁ、ちょうど成長したらフレンダちゃんと同じくらいだな」
「娘さん、家を出ていったのか?」
「あぁ、教会のシスターになるって家を出て行ってから音沙汰なしだよ。まぁ、それだけ毎日が充実している事だとは思うんだが。寂しいな」
「そうなのか、でも、こんなに抗議していて娘さんは出てこないのか?」
「こことは、別の場所にいるのかもしれない」
「そうか。会える事を願ってるよ。俺達はもう行くわ」
「おう!ありがとな!また、揚げ肉食いに来てくれよ!」
「もちろんだよ」
「祥太のお仲間とフレンダちゃんも、来てくれよ!」
「えぇ是非」
「もちろんだ!あれは美味かった!」
「揚げたてを食べに来ます!」
「・・・・」
フレンは、マックスさんの方を何も言わずにじっと見ていた。
「フレン?」
「っ!なっなんですか?」
俺が声をかけると驚き返事をしてきた。
「いや、何かボーっとしているみたいだったから」
「なんでもないです!」
「そうか、まぁ何かあったらすぐに言えよ」
「分かりました」
こうして、俺達は教会の前から立ち去り再び歩き出した。その後ろで
「・・・どうして、あの人をお父さんなんて思ったんだろう?」
フレンの小さな呟きは、デモの喧騒により掻き消され誰の耳にも入らなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!