カノジョのもとに届いた一報。
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾しりあす?
「そ、それで――です」
「ほうほう。アリス嬢は完全に惚れてますなぁ」
「惚れてないですから! 勘違いしないでください!!」
「あはは。でも、その一回で断っても良かったんだよね?」
「うぅぅ……! お姉様までぇ!!」
アリスの話を聞いた上級生組は、真っ赤になる彼女を茶化して笑う。
このはも今ばかりは、ほんの少しだけ意地悪になっていた。妹分であり親友のアリス。そんな彼女の恋の行方は、とても気になるのだ。
しかし、アリスにとってはたまったものではない。
机に突っ伏した後に、彼女は珍しく敬愛するこのはへ食ってかかった。
「お姉様の方こそ、毎日もっと恥ずかしいことしてるくせにぃ」
「えぇ? そんなことないよー」
「絶対してます!」
だが、はぐらかされる。
アリスは声を荒らげ、立ち上がり抗議した。
そんな時である。
「あ、ごめん。ちょっと――」
このはのスマホが、揺れたのは。
高校にいる間はマナーモードにしているそれを手に取って、表示された名前を確認した。そしてすぐに、二人に向かってこう言う。
「お母さんからだから、待ってて?」
「あ、はい」
「珍しいなぁ、こんな時間に」
――ほな、行ってら~。
柚葉のそんな言葉を背に聞きながら、このはは教室を出た。
そして人気のない廊下で、電話に出る。
「もしもし? お母さん、どうしたの?」
思わず首を傾げながら、開口一番にそう訊ねた。
すると、スマホの向こうから聞こえてきたのは――。
「え……?」
想定していない、母の言葉だった。
◆
「ん、このは……?」
――昼休み。
俺が同級生と学食で食事していると、彼女から着信があった。
珍しいこともあるものだ。そう思いつつ、俺はそれに出る。そして、いつもの調子でどうしたのかと問いかけた。
だけど、こちらの声色とは正反対。
このはの声は、危機感に満ちていた。
今にも泣き出しそうな声で、彼女はこう叫ぶ。
『かずまぁ、どうしよう……!』
そして、それはあまりに非情な事実だった。
『早くお父さんに会わないと……お父さん、死んじゃうかも、って……!』




