カノジョと結婚式について考える。
和真……w
「まったく、あのバカ親たちは……!」
「あはは~。そんなことないよっ!」
頬が熱くなるのを感じながら、俺は部屋に戻って来た。
このはもそれに続いて、もう落ち着いたのか、楽しげに笑っている。しかし一足飛びに結婚式の話をするだなんて、あの両親には困ったものだ。
とりあえず課題に戻ろうと、俺は床に腰かけた。
このはもベッドに腰を下ろして、小さく鳴きながらやってきたモモと戯れる。
そうして、またいつも通りの時間が戻ってきた。
と、思ったのだが――。
「ね、ねぇ……? かずま」
「ん……?」
不意に、どこか熱っぽい声で彼女がこう言った。
「かずまは結婚式、洋風と和風どっちがいい……?」
「ぶふっ……」
思わず吹き出す。
慌てて振り返るとそこには、どこか恥ずかしげに視線を泳がせるこのはさん。彼女は膝の上のモモを撫でながら、思考は完全にバカ親たちに引っ張られていた。
かといって、あの二人に対するように一喝もできない。
だって、その――。
「ねぇ、かずまぁ……?」
彼女の潤んだ瞳には、そんな魔力があったから。
俺はどうにも、そういったものに弱いらしかった。だから、
「こ、このはは……、どっちがいい?」
頬を掻きながらそう返す。
するとこのはは「ふぇ」と小さく鳴き、少し考えてから。
「かずまが、決めて……?」
顔を真っ赤にしながら、そう答えた。
その直後に、俺の頭の中には和装した彼女とドレスを着た彼女、その両者が浮かんでくる。正直どちらも捨てがたい。おしとやかな性格であるこのはには、和服も似合う。しかしそれと同時に、ウェディングドレスを着て笑う彼女も、また眩しいと思えた。
甲乙つけがたい魅力的な二つに、俺は口ごもり……。
「ねぇ、かずま?」
「うぐ……」
背後に、このはさんがやってきているのに気付かなかった。
彼女は優しく後ろから俺に抱き着いて、背中に顔を埋めてくる。胴に腕を回して、きゅっと、ほんの少しだけ力を込めるのだ。
温もりがダイレクトに伝わってくる。
俺はそこで完全に――。
「きゅう……」
「え、あ!? かずまぁ!?」
思考がオーバーヒート。
ぱたりと、力なく床に倒れ込むのであった。




