カノジョが俺の高校にやってきた!?
ちょこっと時間を戻して。
なにげに和真の高校での様子は、初めてですね(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
※ごめんなさい、ちょっと別作品の発売前ブルー?になってます。胃薬飲んで休みます……。
「先輩! あの、チョコ貰ってください!」
「あぁ、ごめん。俺は貰えないんだ」
「えぇ!? なんでですか!?」
放課後、通っている高校の正面玄関にて。
俺は数名の女子生徒に囲まれて、今日何度目か分からない問答をしていた。
みな一様にチョコレートを手に持って、こちらが断るとすごく残念そうにする。心苦しく思えたけれど、こればかりはカノジョがいる手前仕方なかった。
しかし、中にはそれが通じない相手もいるわけで。
「カノジョ、いるから――」
「じゃあ、アタシは先輩の愛人でもいいです!」
「……は?」
そう言った後輩女子は、潤んだ瞳で見上げてきた。
名前はたしか――九条涼香、といっただろうか。活発な印象を受ける運動部系の女の子で、みんなの人気者だ。
そんな彼女が、倫理観ぶっ飛びまくった発言をしたのには驚愕した。
でも、当の本人は真剣そのもので……。
「ね? 先輩、バレなきゃいいんですよ!」
「ばか、そういう問題じゃないって!?」
真剣というか、視線がおかしかった。
自分の言っていることが間違っているとは思わないタイプ、というのだろうか。あるいは、もっと前提条件がズレているかのとちらかだ。
そんな後輩である涼香に迫られ、俺は完全に窮していた。
周囲の女子も、さすがに引いているし。
「お願いします、先輩。アタシ、本当に先輩のこと――」
「和真ーっ!」
「え……?」
ついに恐怖心を抱き始めた、そんな時だった。
普段、ここではまず聞くことのない声を聞いたのは。
「……このは?」
「えへへ。待ちきれなくて、きちゃった!」
声の主は、俺のカノジョであるこのは。
このはは周囲のざわめきをものともせず、俺のもとへやってきた。そして涼香および、他の女子生徒を押しのけて抱きついてくる。
まるで、俺のことを自分の所有物だと、そう宣言するように。
「ちょっと待ちなさいよ、アンタ! アタシが先輩と話して――」
「ごめんなさいね。悪いけど、貴方に興味はないの」
「ひっ……!?」
そして、涼香が抗議の声を上げると。
このはは感情のこもらない、冷たい刃物のような言葉を彼女へ向けた。さすがの涼香も、このはのそれには怯んでしまう。
併せて向けられた視線にも射すくめられ、言葉を失うのだった。
「和真、いこ?」
「あ、あぁ……」
だが、これは間違いなく好機。
俺はこのはに続いて、一気に人の波の中を駆け抜けるのだった。
◆
「凄い美人さんだったね……!」
「えー、あんな人が和真先輩のカノジョさんなの!?」
「仕方ないよ。だって和真先輩、すごくかっこいいし!」
「だよねー……」
和真が去った後に、周囲を囲んでいた女子たちは口々にそう言う。
そして、これは勝負あったと思い諦めるのだった。
だがしかし、たった一人を除いて――。
「アタシは、負けない……!」
九条涼香は、明らかな対抗心を燃やしていた。
いつか必ず奪ってみせる。
そんな思いが、ひしひしと感じられるのだった。




