表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/114

幼馴染との甘々なひととき。







「ふわぁぁ!」


 このは、満開の花を咲かせるの巻。

 そんなわけで、俺たちは翌日の土曜にスイーツを食べにきた。

 互いに私服なのだが、このはは清楚なワンピース姿。店の中に入ると、その裾をひらひらと舞わせながら周囲を見回していた。


 最近できたばかりだという真新しい店舗の内装。そして、提供されるスイーツはどれも、一流のパティシエが作ったものばかりだという。

 これを学生でも楽しめる金額で出しているのだから、大したものだった。


「ここ! かずま、ここ!!」

「はいはい。窓際の席が良いんだな?」


 ショッピングモールの一角にあるこの店からは、ちょうどペットショップが見えていた。このはは昔から、もふもふとした生き物が大好きなのだ。

 そんなわけだから、子犬や子猫を見ながら甘いものを食べられる。

 この場所で過ごす時間は至福だろうと思った。


「で、どれが食べたいんだ?」

「これ!」

「そうか、これ――はい?」

「スペシャルビッグパフェ!!」

「………………」



 このはさん? あなた、無垢な眼差しで凄いこと言ってるよ?



「えっと、高さ一メートルのビッグパフェ。ふんだんな生クリームとバニラにチョコ、甘々の極致をお楽しみください――ははは、すごいなぁ。これ」

「ね! 凄いでしょ!!」

「……うん」



 いいや、ここで引き下がるのか橋本和真。

 愛おしい女の子の笑顔を、悲しみに歪めることができるのか!?

 それは――否! 俺は俺として、このはを愛でるのだと決めたのだ!!



「よし、頼もうか」

「うん!」



 笑顔の裏では、戦場に赴く戦士の如く。

 俺は覚悟を決めるのだった。






「ん、思ったより食べやすいな」

「そうだね! わたしも、たくさん食べちゃう!」


 クールな外見のこのは。

 そんな彼女はいま、蕩けた顔でほっぺを押さえている。

 かく言う俺も、思った以上にビッグパフェを食べられていた。これなら、完食も夢ではない。そう思って、ふっと息をついた時だった。



「ねぇ、和真?」

「ん、どうし――」



 不意に、このはに声をかけられて。




「はい、あーんっ!」




 生クリームをすくったスプーンを、差し出された。

 その奥では彼女が優しく、目を細めている。

 天使か、この子は……。



「(って、そうじゃねぇ!?)」



 待て、落ち着くんだ。

 これって、そういうことだよな。そう思い、硬直していると――。



「和真? やっぱり、嫌?」



 このはが、寂し気にそう口にした。




「いただきます!!」




 ――その瞬間、俺はスプーンに食らいついた。

 このはは驚いて目を丸くするが、直後に頬を赤らめる。そして、



「えへへ、ありがとう!」



 そう、感謝の言葉を述べるのだった。


「い、いえ。どういたしまして……」



 あぁ、本当に顔が熱い。





 思わぬ形で訪れたその場所で。

 俺たちは、互いにパフェを食べさせ合うのだった。



 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「推しの推し……の、推しが自分だったんだが。」こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
[一言] 1mのビッグパフェって多分最低でも15000円以上はすると思うのですが高校生ってこんなの頼みますかね?そもそも2人用じゃねぇ…
[良い点] スイ~ツとの併せで 更なる甘さ [気になる点] お互いに 恋愛感情は? [一言] 蜂蜜まみれになるくらいの アマアマを要請します
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ