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口下手で不憫な幼馴染が俺に甘えてくるので、ただひたすらに愛でたいと思います。~酷いことした相手は無視します~  作者: あざね
第1章

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カノジョを守る、みんなの輪。







「録音……? ハハハっ! ――その程度で、ボクが引き下がるとでも?」



 龍馬は起き上がりながら、先輩を睨みつける。

 そしておもむろに、懐から――。


「――っ! 先輩、危ない!」


 ナイフを取り出した。

 刀身を舐めながら、じわりと、久保先輩に迫って。



「奪っちまえば関係ないんだよォ!!」



 一気に駆け出した。

 だが、それを――。



「悪いね、こういう手合は得意なんだ」



 先輩は軽くいなし、ナイフを叩き落として見せた。

 無様に転がった龍馬は忌々し気に、久保先輩のことを見上げる。そして、



「くっ……! いいか、私立の理事長がどれだけの権力を持っているのか、お前らに見せてやる!! あはは、これで如月は退学だなァ!!」



 大声で喚きながら、彼は去っていった。

 残された俺と久保さんは、ふっと息をついてから笑う。

 なぜなら、もうチェックメイトだったから。龍馬は知らないのだ。



 私立だからこそ、特定の縛りがあるということを。




◆




 ――翌日の理事長室。

 そこに龍馬は呼び出され、祖父と対面していた。

 要件はやはり、このはへのイジメ問題。今朝方に学校に提出された音声データを聞いた教員たちは、明らかに動揺していた。

 しかし自分に不利益はない。

 なぜなら、自分は理事長の孫なのだから。



 そう、そのはずだった。

 しかし――。



「おい、爺さん……。それは、どういうことだ!?」

「分からんか。お前は当分の間、停学処分だ」

「な、なんでだよ!!」



 様子が、おかしかった。

 普段なら問題を起こしても、祖父の名を出せば揉み消せたのに。

 なにかがおかしい。そう思っていると、理事長は難しい顔をして言った。



「停学で済んで感謝するべきだ。まさか、水瀬の娘の友人に手を出すとはな」

「水瀬、だって……?」



 それを聞いても、龍馬は首を傾げるしかできない。

 理解が追いつかなかった。どうして――。



「どうしてだよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」



 彼の声は、校内に響き渡った。




◆




「いや、最後はアリスの両親に感謝だな」

「私は嫌だったのですがね、お金で解決するようなことは。両親がお姉様を守るためだって、そう言ってくれたから良かったですけれど……」

「アリスちゃんのためだよ、それもね」

「納得できません! でも――」



 このはの住んでいるアパートの前。

 俺とアリス、そして久保さんの三人は放課後に揃っていた。



「でも、お姉様とまた学校に通えるなら。これ以上に嬉しいことは、ないです」



 アリスの素直ではない言葉に、俺と先輩は笑う。

 すると従妹はムッとした表情を浮かべて、こちらを睨んできた。しかし、それも一瞬のこと。なぜなら、この輪の中に欠かせない女の子が現れたから。


 その子は、まだどこか疲弊したような顔をしている。

 それでも俺たちを見た瞬間に笑顔を浮かべ、同時に大粒の涙を流した。



「みんな……っ!」



 そして、輪に加わる。

 まず一直線に俺の胸に飛び込んだ彼女を、俺は抱きしめる。



「おかえり、このは」



 俺は、最も大切な女の子の名前を口にした。

 パジャマ姿のこのはは、少しだけ恥ずかしそうに微笑む。




「ありがとう……!」






 カノジョの感謝の言葉。

 それを聞いて、俺たちは全員が笑顔になるのだった。



 


はい、幼馴染ざまぁ、回収!!

作品の題材的にやらざるを得ない、そう思っていました。

心苦しく思わせてしまった方、申し訳ない……!!



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「推しの推し……の、推しが自分だったんだが。」こちらも、よろしくお願い致します。
― 新着の感想 ―
[一言] このはさんは別にざまぁされた訳じゃないのか。
[気になる点] 四肢粉砕骨折させられた後輩思い出した。 まあやった先輩は逮捕されたけど...一生動けなくなったことを考えると...今って平和よなぁ
2020/03/24 06:12 退会済み
管理
[一言] ざまぁされたのはこの基地外男の方でこのははただ理不尽ないじめにあっていただけなのか… これ普通にタイトル詐欺じゃないですか?
感想一覧
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