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ゾンビが出て終わったと思ったらデスゲームかよ⁉︎  作者: 異世界の猫
第1章 高校編
9/13

毒の対処法

 


 教室を追い出された晴人は自らを追い出した葉月の文句を言いながら川崎の元へと向かっていた。




 川崎のいる教室の前に着いた晴人はドアを開け中にいた川崎に話しかける。



「川崎、ちょっといいか?」



「ん?どうした晴人」


 晴人の声に反応し、椅子に座っていた川崎は立ち上がり晴人の元へと歩み寄る。



「桐生の怪我のことなんだが」



「桐生?ああ、ここに運ばれて来た奴か」



 川崎は少し考え、桐生の事を思い出したようだ。


 そして晴人に問いかける。



「で、ソイツがどうしたんだ?」


「実はよ、アイツの怪我したところから毒が入ってるらしいんだ。それも回復魔法も効かないような強力なやつが」



 川崎の問いに先程聞いて来た話しを伝える晴人。


 その話しを聞き、川崎はふと疑問に思ったことを晴人に聞く。


「ん?事情は分かったがなんで俺のとこに来たんだ」



「その毒の治し方が分からなくて八方塞がりになっちまってな。ただ川崎はゾンビの事に詳しいからもしかしたら治し方について知ってるかもって聞いてよ」



 そう返す晴人は、もし川崎が知らなければどうすればいいのだろうと思い焦った顔をしていた。



 それを聞き、川崎は少し間を置き晴人にある事を告げた。



「......ああ。知ってるぜ、治し方」



「ほ、本当か!」


 その言葉に驚きと喜びを交えた声でそう返す晴人。



「だが、そう簡単には治せない。怪我の状態と運んで来た奴が見たらしいデカイ狼の死体から察するに恐らくハンターウルフの毒だな」


「ハンターウルフ?」


「そうだ。奴らの毒は即効性でとてつもなく強力なものだ。治すためには専用の解毒剤が無ければならない」



 何故、川崎がそこまで詳しく知っているのか。そんな疑問は晴人には浮かばなかった。


 今の晴人が考えているのは、どうすれば幼馴染を助けられるかという事である。



「それはどうすれば手に入れられるんだ?」



「解毒剤だが、これを作るには二つの条件がある。」


「条件?」



「いいか、まず〈僧侶〉の職業に就いてる奴が絶対に必要だ。ちょうど睦月がいるからこの件はクリアだな。」



「桐生が居た教室にいた奴だな」


 晴人は川崎の言葉を聞き、念のため確認を取る。


「ああ、ソイツだ。そしてもう一つの条件。それは、『ウィザードゾンビ』という奴が持ってる液体の入った瓶だな」


「ウィザードゾンビ?」


「そう、杖を持ってるのが特徴だな。倒す時は気をつけろよ」



()()()()()って事は」



「当然魔法を使ってくる。それに他のゾンビどもを大量に呼び出すからそれにも注意しろ」



 簡単にウィザードゾンビの説明を終える川崎。



「あと、奴を見つけるつもりなら図書室とかに行ってみると良い。習性なのかは知らんが前に集まっていたのを見た」



「わかった!助かったぜ川崎。早速行ってくる」



 対処法がわかり笑顔でそう言った晴人はすぐさま図書室へと向かって行った。



 晴人の出て行ったドアをしばらく見つめていた川崎だが、疲れたのかため息をつきながらドアを閉めるのだった。


「はぁ、やれやれ晴人は本当にいい奴だな。いくら幼馴染とはいえ、こんな状況で他人の命を助けようとする奴が何人いるよ」


 川崎はそう感心しつつ座っていた席へ再び腰を下ろした。


 ――――――――――――――――――――――――


 現在、晴人は川崎の言葉通り図書室へと向かっていた。


 そんな晴人の右手にはある武器が握られている。恐らく前の戦闘の際に手に入れたポイントで買った物であろう。


 その武器はハンマーに棘が付いているものであり、モーニングスターと呼ばれる武器である。



 また、晴人のステータスはこのようになっている。



 ――――――――――――――――――――――――


 篠宮晴人(しのみやはると)

 職業:なし

 武器:モーニングスター

 LV:7

 体力50

 魔力20

 筋力51

 素早さ38

 耐性48


 特技:なし

 魔法:なし

 レベルアップ特典:物理攻撃強化 身体能力強化

 神からの祝福

 ――――――――――――――――――――――――



 晴人のレベルはまだ10に到達してはいないが、今生きている生徒達の中では上位のレベルに位置していた。



 数分後、図書室に着いた晴人はゆっくりとそのドアを開け中を確認する。



 中には2体のゾンビがいる。しかし2体とも手には何も持っていない。つまり普通のゾンビである。


「クソッ、いないか」


 そう言いつつ晴人が部屋の隅に目をやるとそこにはまるで魔女が持つような杖を右手に持ち晴人の方をみてニヤリと笑うゾンビがいた。


(いやがった!だが、まずはゾンビを殺る)



 ウィザードゾンビを見つけた晴人だが、冷静に他のゾンビを先に殺すことにした。


 晴人は静かにドアを開け図書室に侵入し、まず1体のゾンビにモーニングスターを振り下ろした。



 脳を砕かれたゾンビは声すら上げずに2度目の死を迎える。


 ゾンビが動かなくなったのを確認し、すぐさま2体めのゾンビへ走りだし勢いそのままにモーニングスターを振り下ろす。



 流石に1発では死ななかったが、晴人は再度そのゾンビめがけ武器を振り下ろした。



 一瞬のうちに2体のゾンビを倒した晴人はウィザードゾンビの方を見やり武器を構え直した。


「よし、雑魚は片付けたぜ。こいよ!」



 そう声を上げる晴人。ウィザードゾンビの方も晴人の言った事を理解したのか杖を振り上げ、いつでも魔法を唱えられる体制をとった。




 それを見て言葉が通じた事に驚く晴人。



 そんな晴人を見てゾンビは再びニヤリと笑うのだった。




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