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枕の下に 希望の上に(8)

上を見れば

夜空の舌みたいに

赤い三日月がある

ポコポコした尻尾をして

小脇に狸が歩いていた

足音に反応して

暗がりに消える

上を見れば

赤い三日月も

夜雲で姿を消した




歩き続けていると

音がした

振り返ると

赤い目が二つ

此方側を見ていたが

直ぐに消えた

舗装された道に響く爪音

遠ざかる爪音

上を見れば

赤い三日月が

夜空に再び現れた




橋の上は

車が行き交う時に

軽く揺れる

最初の一歩目に

似ていた

何かに有り付く為に

山から降りて来た狸も

通って来た道だ

上を見れば

赤い三日月が

山陰に隠れていた




家の灯りは

人の居場所を

丁寧に確保している

誰の家でも

違いは無い

田の畦道

ガサガサとする草叢

猫の尻尾は間違えない

上を見れば

赤い三日月が

寂寞を残していた


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