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不思議世界   作者: コウサカ火兵
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七不思議を求めて

 2人は階段から離れどこへ行くとでもなく歩き始めた。

 地震の被害は階段に及ばず、学校全体にまで被害を見せていた。廊下の窓は割れ、教室の机や椅子は避難した生徒のせいなのか、地震のせいなのかは不明だが乱れていた。

 割れた窓ガラスや瓦礫などが散らかっていて足の踏み場に注意しなくてはならない。そのせいか2人は必要以上に気を張っていて、どこか疲れが見えてきた。


「な、なぁ紗羅...一旦休憩しようか。疲れた...」


「だらしないわねぇ...まぁ、いいわ。休憩しましょ。どこに行くかも決めてないしね。」


「え、決めてないの?!え、じゃあ何のために歩いてたんだよ...」


 2人は本当に何も考えずにさ迷っていたのだ。


「と、とりあえず階段から離れたのよ。さ、さぁ行く場所決めましょ。」


「そうだなぁ、ここから一番近いのなら...音楽室か、理科室か...」


 場所は2階B棟。本棟をA棟として、2つ目の棟だ。この学校の校舎は、本棟、B棟、C棟、旧棟、体育館、格技棟と、いうなんとも広い校舎なのだ。

 ここB棟は数多ある教室の内、理科室や音楽室などの特別教室と言われる物が集まる棟だ。


「じゃあ、理科室にしましょ。バッハやベートーヴェンよりはまだ人体模型の方がマシだから。ね?」


「ね?じゃないてしょ。人体模型の方がマシかぁ?内蔵とか見えんじゃんか。」


「なっ!何言ってんの!音楽室の方が恐ろしいじゃん!」


「どこがだよ。ただの作曲家達の絵が飾られてるだけじゃん!理科室の方が不気味だよ。」


「わかってないわね。人体模型は形があるから万が一襲ってきても物理攻撃が効くけど、絵画だったら効かないじゃない!」


「そんな心配かよ!...でも、一理あるな...」


「でしょ?だから一回理科室行って、調べてから使えそうな物でもあったら持ってって音楽室に行けばいいのよ。」


「なるほどな、さすが紗羅だ。」


「そんなに褒めても何も出ないわよ〜。フフフ〜」


 紗羅は思わず褒められて顔が緩んでしまっている。だがやはり、栗柄はそんな様子には全く気づかない。


「よし、行くとこ決まったことだし出発するか。」


「西尾ったら、休憩した途端に元気になって。ふふっ。」


 そう軽く笑って、栗柄と細川は理科室に向けて出発した。



 しかし、近いとは言っても地震のせいで足の踏み場に困る。理科室はB棟2階の最奥にある。そのため、距離はある。途中にも教室はある。

 B棟2階は左端から理科室、会議室1、会議室2、階段を挟んで被服室、調理室、音楽室となっている。また、それぞれの教室には一つずつ準備室がついている。

 実は理科室と言ってるが、理科室なるものは全てで三つある。そのどれもB棟左端にあり、1階から化学室、生物室、物理室だ。名前から分かるように用途によって使い分けている。

 一年の間は基本的に生物室しか使わない。やる事も細胞を調べる程度の小さな実験しかないからだ。だから基本的に一年はみな生物室を理科室と呼ぶことが多い。


「──さて、着いたぞ。」


 そう呟いて栗柄は扉の前で仁王立ちをする。


「いつまでその豊満な胸を腕に押し付けてるんだ。肩が凝るだろうが。」


 肩を回しながら腕を振りほどく。本来なら素晴らしき状態だと言うのに。やはり、こんな所でも鈍感なのであった。


「むう。せっかく西尾にサービスしてあげたのにぃ。なに、お胸はお嫌いですか?まな板を御所望ですか?このロリコンが!」


 目に少し涙を浮かばせ、顔を赤くしながらそっぽを向いた。


「はぁ?!俺がロリコンだと言うのか?」


「そうよ!ロリみてニヤけてる変態が!」


「ロリコンの何処が悪い!世の中ロリコンだらけじゃねぇか!あぁ、違うか?子供好きだろ?」


「な、普通に子供を見守るという点から“は”でしょうが。あんたの場合は犯罪の匂いがするのよ!」


 確かに大抵の人は子供が好きだろう。しかし、それは親のような守りたいという気持ちで好きなだけだろう。しかし、彼は違う。そんな彼を細川はただただ赤くした顔で見つめる。2人はまるで火花を飛ばすかのような勢いで睨み合った。


「犯罪だと?!なにをぬかす。yesロリータnoタッチが紳士の務めだろ!ロリータを影から危険な人物から守るのが紳士というものだ。」


「なによ!この前だってスマホの画像フォルダに怪しげな画像一杯だったじゃない!変態!」


 会話の内容が酷い有様だ。詰まるところ彼はロリコンだ。自らは害の無い、健全なロリコンと主張しているがどうだろうか。


「あ、あれは健全な男子高生としては普通なんだよ!みんなそうだ!」


 男子高校生に対して、凄い風評被害だ。


「さすがに呆れた...」


 さすがの細川もこんな様子を見てたら赤くしてた顔も青ざめ、少し引いてから呆れ、苦笑した。


「いやぁ...こんな様子見るとなんで惚れたんだっけなぁ...ハハハ......」


思わず惚れた自分を情けなく思い始めた。


「全く...ロリコン全員が犯罪者じゃないんだぞ......とりあえず理科室、もとい生物室に着いたから入るぞ。」


 そんな言葉を聞き、さっきまで引いてた細川も顔を軽く叩いて気を引き締めた。充分な気合だ。


「よし、入りましょ。そして...」


「「人体模型について調べるぞ。」」


 2人は生物室の戸を開け静かにその中へと入っていった。


なんか最後の方ロリコンばっかだったけど気にしちゃ駄目だよ。

栗柄は紳士なのかな?

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