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ゆるい決意

俺がこの異世界に転生して、かれこれ五年が経った。

ちゃんと転生できたようだ。

この五年で、この世界についてわかったことがある。

 


まず、俺は貴族の伯爵家に生まれた。

大国の一つである王国の領地持ち貴族だ。

転生時の願い通りに裕福な家で安心した。


今や、両親に兄二人と妹一人の六人家族の三男坊として生活している。

まわりが優しくて幸せなんだが、甘やかされたせいか、前世と同じくおデブちゃんになっちまった。

 

 

この世界は貴族や奴隷制度もあるし、魔物やギルド、エルフなどの異種族もいる世界らしい。

まさに、剣と魔法のファンタジー世界だ。

唯一、想像と違うのが魔法について。

 


手から火を出したり大地を凍らす魔法といった、定番の魔法がないのだ。


どうやら、召喚魔法と身体強化魔法しか存在しないらしい。

この世界の人間種は、それ以外の魔法は使いたくても使えないようだ。

 

身体強化魔法は、まんま身体能力を強化する魔法だ。

何度も使い、修練を積むほど効果があらわれる。


俺の場合、前世も今世も体を動かすのが面倒くさいからまともに使えない。

これからも使うつもりはないな。

 


そんなことよりもだ。

もう一つの召喚魔法。


これがすごい。

 

どんな存在でも召喚し、使役できる魔法なのだ。

これには、呼び出した召喚物(しょうかんぶつ)を送還する魔法も含まれている。

 

召喚物の種類はさまざま。

聖剣や魔獣、精霊や魔法の道具などが召喚可能で、大昔の救世主は神様まで召喚したといわれている。

 

難点は、一人一つの存在としか召喚契約を結べないため、初めに召喚したものがその人の一生のパートナーとなること。


つまり、最初の召喚で花柄のハンカチが出たら死ぬまでそのハンカチしか召喚できないのだ。

しかも、ランダムで召喚対象が決まるので、何が出るかはやってみないとわからないらしい。


とはいえ、召喚物はその人の経験や環境などで能力や形態が変化していく。

どんな召喚物でも、努力次第で良くも悪くもなる可能性を秘めているのだ。

要は、魔物を倒して経験を積むなどして、召喚物が進化するわけだな。



 

この召喚魔法次第で今後の俺の人生が決まるといってもいい。


かわいいお嫁さんたちと幸せに長生きして孫に囲まれて死ぬ。

俺が前世で叶わなかった夢をこの世界で叶えるのだ。


つらいのも痛いのもダメ。

努力とか無理。

心身ともに安全第一だ。


それを踏まえたうえで、「楽」をモットーに生きる。


そんな俺にとって、召喚魔法であたりを引けるかどうか。

その結果次第で今後の身の振り方が決まる。

今からでも、召喚物に頼っている将来の自分の姿が想像できる。

 

まぁ、せっかくの第二の人生。

ダメ人間と罵られようが、俺らしく生きてやろう。

 

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