表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある人物が魔王の仲間になるまでの経緯  作者: 幌ぼろ
出会い方だけはテンプレだった
6/87

ある魔王の、突撃お宅訪問

 ※ 人間の世界 住宅地 ※



勇 者 「えっと…」

側 近 「…あ、勇者ん家ここであってましたね」

魔具職人「んもぅ、探したよぅ。何軒目ぇ?」

魔 王 「ええと、二十軒目です」


勇 者 「…あの」

側 近 「それではぱっぱと済ませて帰りましょう」

魔具職人「ん~。どこらへんがいいかなぁ?」


勇 者 「…ねぇ」

魔 王 「あの、家主の意見を聞いたほうがいいですよ?」

側 近 「それもそうですね。勇者、貴方はどこがいいですか?」

魔具職人「アタシ的には、あの辺がオススメ?」


勇 者 「あの、何の話デスカ」

魔 王 「機械のお姉ちゃんも、(ノリ)も、それは勇者さんに失礼ですよ!いきなり押しかけてい     るのですから」

勇 者 「えっと、援護ありがとう」

魔 王 「いいえ。失礼をいたしました」

勇 者 「あの、それで、ナニゴトですか」


側 近 「それもそうですね。お久しぶりです、一週間ぶりですね、勇者」

魔具職人「はっじめまして~。魔界の魔具職人でっす」

魔 王 「えっと、お願いがあって、非常識は承知のうえで、伺わせていただきました」

勇 者 「あ、はい。いや、っていうか、え?」

魔 王 「戸惑われるのも仕方ないかと思います」


勇 者 「…って、あわぁどうする!?とりあえずあんたら!中入って!」

魔 王 「ですが…」

勇 者 「うちの窓に、そんなたむろしないで!鍵開けるから中入ってきてくださいお願いします人に見     られたら俺の人生終わる」

側 近 「そう言われると、ここにいたくなりますね」

勇 者 「お願いヤメテ!」

魔 王 「そんな意地悪言わないで、ノリ」

側 近 「貴方がそう言うなら、しかたないですね」

魔具職人「入口って、あっちかな?先行って開けとくね」


勇 者 「え、開けとく?開けれんの?…あっ、あと、その抱っこされてるちっこいのは、今窓から入っ     てきて」

魔 王 「ぼくですか?」

勇 者 「近所の悪ガキが悪戯しにくるから、ある程度以下の身長のもんは入口くぐれないんだ…魔法      で」

魔 王 「勇者さんも、大変ですね。わかりました」

側 近 「仕方ないですね。勇者、パスです」

勇 者 「おう。軽いな」

魔 王 「こればかりは、成長しないとどうにもなりませんから」

勇 者 「…しっかりしてるな」

魔 王 「親が親ですから」


勇 者 「親?お前、魔王の子か?」

魔 王 「似ていますか?」

勇 者 「いや、言われてみたら似てるけど、なんか眼の色が同じだったから…」

魔 王 「あっ。眼の色ですか。眼が赤いのって、魔王になるための最低条件なんです」

勇 者 「赤目なら、誰でも魔王になるのか?」

魔 王 「赤目が一人だけなら。複数いたら、トーナメントになるんです」

勇 者 「へぇ。変わってるな」

魔 王 「そうですか?」


勇 者 「で、何しに来たんだ?」

魔 王 「あっ、そうでした。お願いがあって伺ったんです」

側 近 「あ、いた。じゃあ説明を始めますか」

勇 者 「あ、お前いいや。こいつで頼む」

魔 王 「え、ぼくですか?」

勇 者 「うん。あんたたち話通じないし、こいつが一番物分かりがいい」

魔 王 「あ、はい。わかりました」

側 近 「え~」

魔具職人「なにそれぇ」


勇 者 「自覚無いの?」

側 近 「……」

魔具職人「あるけど」

勇 者 「…おい」

魔 王 「えっと、あの。勇者さんの家と、うちに直結する扉を造らせていただけないかと思って」

勇 者 「ええと、つっこみたいところは山ほどあるが、まず、うちってどこだ?」


魔 王 「あ、魔王城です」

勇 者 「あー……うん。なんで?」

魔 王 「勇者さんがうちに来られる時に、大きな鶏を使われるでしょ?」

勇 者 「…にわとり」

魔 王 「はい。その鶏の助走による被害が大きくて、あのこを使わないで来ていただけるようにしたい     のです」


勇 者 「…それで?」

魔 王 「ええと、この機械のお姉ちゃんは、そうゆう特殊な装置を作るのがすごく上手なんです」

魔具職人「はぁ~い」

勇 者 「へぇ~…」

魔 王 「なので、機械のお姉ちゃんに扉を作ってもらう許可をいただきたいんです」

勇 者 「えっと、でもそしたら、俺のプライバシーが」

魔具職人「あ、それならぁ、一方通行にしてもいいよぉ」

勇 者 「え、できんの?」

魔具職人「魔王城からの一方通行がいい?」

勇 者 「はあ?俺のプライバシーどこ行った?」

魔 王 「お姉ちゃん、それじゃ意味が無いよ」

魔具職人「ジョ~ダンだよぉ」


勇 者 「いや」

魔 王 「本気でするでしょ、お姉ちゃん」

側 近 「うん。するね、きぃちゃんなら。でもちゃんとしてね」

勇 者 「ってか、家からの一方通行って俺帰れんの?」


魔 王 「あ、それなら」

側 近 「この間みたいに帰してあげますよ」

勇 者 「この間…」

魔 王 「えっと、この間はノリが変な所に送ってしまって、本当に申しわけありませんでした」

側 近 「すいませんでしたね、勇者。相当苦労したでしょう」

勇 者 「まあ、それなりに…って、え!?あんたあの時のっ?」

側 近 「え、今気付いたんですか?」


勇 者 「The別人!」


側 近 「なんですかその新しい驚きかた。ちょっと真似したくなりますね」

魔 王 「やめて」

魔具職人「アホっぽいよ?」

側 近 「冗談ですよ」

勇 者 「うわ、性格悪っ」

側 近 「まあ、それなりに悪魔やってますから」


魔 王 「ノリは、男にも女にもなれて、日替わりで性別を変えているんです。今日は女性の日だったの     で、印象が違うんだと思います」

勇 者 「印象…は、変わらないけど」

側 近 「まあとりあえず、勇者の家を覚えたんで、次はここに送れますよ」

勇 者 「あ、ならいいよ」

魔具職人「んじゃあ、どこに作る?」

勇 者 「えっと、なるべく人目につかないとこに…」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ