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30話  作者: マグciel
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港町にある2つ目のゲート

 ヘスティアが南の森でモンスター達と戦っていた頃、港町の西側に出現したゲート付近にはシエルとゼータが居た。

「なんで私がゼータと一緒なの?この前はお兄ちゃんと一緒だったのに。それに相性的にもゼータが沿岸部に行った方がよかったでしょ。」

「いつまで言ってるの?そんな小さなことを気にするめんどくさい性格だからソイルに相手にされないんじゃない。」

「は?お兄ちゃんはいつでも私にやさしくしてくれますけど?なに?ここでゼータを動けなくしてもいいんだけど?」

「そうしたらソイルにも皆にも迷惑がかかる。それも考えられないの?鳥頭。」

愚痴をこぼしていたシエルに対して、ゼータは煽るような口ぶりで返していた。

やっぱりお兄ちゃんと一緒がよかったなぁ...っていうか鳥頭って何、本当にやったら迷惑がかかるくらいのことわかってますけど!

「ほら、出てきたよ。」

ゼータが指した方向にはゲートから出てくるモンスターたちが居り、その中に一際大きい亀の形をしたモンスターも居た。

雑魚とゲートはシエルに任せるとして、あのカメを倒すのはゼータの役目。

その役目をしっかりこなしてソイルに...えへへ///

「…ねぇ、ちゃんとやってよ?あのコバルトタートルは多分ディメンションブレイクじゃ倒せないから。」

「わかってる...へへへ///」

「…」

ゼータが何考えてるかわ何となくわかるけど、お兄ちゃんとはまだ“そういう事”させないから。

っていうかこの役回りの私地味すぎるんだけど。

一発技撃って後はゼータに任せるって、なんか釈然としないんだよね。

頼まれたからやるけどさ...

「ラオムディテクション、ディメンショナルクレアール」

シエルがゲートを含むエリアを展開し、ゼータの目の前から多くのモンスターやゲートと共に消えた。

そしてシエルは再びゼータの目の前に戻って来ると、もう一つの特異能力を発動した。

「ディメンションブレイク」

どっと倦怠感に襲われたシエルはその場にへたり込み、ゼータに向けてアイコンタクトをした。

ねぇゼータ、私動けないからね。こっちに攻撃が来ても避けれないからね。

いい所を譲るんだからそれくらい分かってるよね?

と憤りを感じながら、視線で圧を掛けていた。

それに対して満面の笑みで返したゼータは、コバルトタートルの方へと向かっていった。

あ、絶対こっちに攻撃来るわ。この状態でも一応魔法は使えると思うけど、大丈夫かな。

ってそうじゃなくて、え?嘘だよねゼータ、流石にそんなことしないよねぇ!

そんなシエルの思いをよそに、ゼータは敢えて相手がシエルの方を向くような位置から近づくと、近づいてきた自分を迎撃するために放たれた水属性のビームを防ぐことなく普通によけた。

「あ、ごめんw」

「ねぇぇぇ!絶対やると思ったよこのスクラップがぁぁぁ!!ヴェントチュラトリー!!!」

シエルは杖を取り出して何とか防御壁を張ることで、水属性ビームを防ぐことが出来たものの、より一層疲れがたまっていった。

今仕返ししてやりたいところだけど、これ以上魔力を使ったら多分気絶する。

そしたらゼータがお兄ちゃんと“ナニ”をしようとするかなんて簡単に分かる。

それが狙いだろうけど...でも絶対そんなことさせないから。

シエルが色々と考えている間にゼータはコバルトタートルと戦っていた。

戦術展開タクティカルアンフォールド:第一式ポーン

ゼータはディアと戦った時に出した剣を使い、コバルトタートルの足に攻撃をしていった。

甲羅は鋼鉄のように固いのは知ってたけど、皮膚も岩みたいに硬い。

ただの攻撃じゃ無理そうだし、いっそのこと全力でやれば、甲羅諸共このカメを倒せるかな。

少し距離を取ったゼータに向け、コバルトタートルは大量の水弾を放って攻撃をした。

「サンダーディセミネイション。__テレポート。」

それに対して無数の雷弾を放ち相殺させると、転移魔法でコバルトタートルの上空へと転移した。

先程まで持っていた剣は槍へと変わっており、ゼータはその槍の狙いをコバルトタートルの甲羅へと定めていた。

魔法付与エンチャントスペル:ライトニングアクセル。」

雷属性₊加速の合成魔法を付与した槍を、コバルトタートルに向け力を込めて投げた。

投げられた槍は一瞬にして甲羅を貫くと、その衝撃でコバルトタートルの体は弾け、やがて一部を残して消え、その跡にはクレーターが出来ていた。

槍はゼータによって回収されていた為、その場には残っていなかった。

そうして無事コバルトタートルを撃破したゼータはシエルの元へと近づいた。

「...ねぇゼータ、そんなことが出来るなら最初っからやってくれないかな?」

「できるだけ楽に倒したいと思ってた。魔力を可能な限り消費せず倒せるならその方がいい。」

「でも結局使ってるじゃん。絶対わざとだよね?」

「ただ倒すだけなら簡単だけど、あの甲羅を貫いてみたいと思った。30%くらいh」

「じゃあ残りの70%は私の魔力とか体力を削りたかったってことだよねぇ?!......はぁ、もう今日はいいや。疲れたし。」

少し言い合いをしたのち、ゼータは渋々シエルを背負って歩き出した。

モンスターは居なさそうだし、ここに置いていって後で回収した方が楽なんだけど、それでソイルに怒られるのも嫌だし...。

「なんだかんだこうやって運んでくれるんだから、ゼータって意外と優しいところあるよね。だからってさっきのを許すわけじゃないけど。」

「意外は余計。ゼータは常に優しい。すぐに怒るどこぞの羽女とは違う。」

「...私が気絶しない程度に魔力が残ってたら、今すぐにでも鉄屑にしてあげたのに、残念だよ。」

「どうせできない。そんなことしようとしたら埋めるから。」

「ふふっ、私はゼータより優しいから、先に忠告しといてあげる。次またもし一緒に戦うことがあったら、背中には気を付けておいた方がいいよ。」

「臨むところ。」

ヒリついた雰囲気を纏いながら、二人は港町の外北部にある駐屯地へと向かった。


 2人が駐屯地に着いた時には既に他の賢者達がおり、休んでいた。

だが、ヘスティアが2人に気が付くと、こちらに歩いてきた。

「2人ともお疲れ様。...ところで、なんで喧嘩みたいになってるのかしら?」

「聞いてよヘスティア〜ゼータがさ、敵の攻撃が私の方に来るように敢えて誘導してきて...なんとか防げたけど、危なかったんだよ。」

シエルは疲れた様子でこうなった理由をヘスティアに話した。

シエルとゼータってよく一緒に居るし、仲の良い2人だと思ったのだけど、悪いのかしら。

ソイルを取り合ってるみたいだったし、それを考えると喧嘩になっても仕方ないのかもしれないわね。

でも“喧嘩するほど...”って言うし、やっぱり仲はいいのかしら?

人選がダメだったのか?と考えつつも、結局2人の仲は良好という考えに落ち着いたヘスティアの後ろから、ソイルが現れた。

「ほぅ...ゼータ、シエルにそんなことしてたのか。」

「あ、これはそのーえっと...ごめんなさい。」

「謝るならシエルに対してだろ?」

「っ...シエル、ごめん。」

ソイルにおびえ、悔しさを感じつつもゼータはシエルに謝罪した。

対してシエルは満足げな顔をしながらも、不敵な笑みを浮かべていた。

「え~どうしようかな~...ねぇ兄さん。ゼータに罰を与えてくれないかな?私からより兄さんからの方がよさそうだし。」

「分かった、考えとく。」

「んじゃあしょうがないから許してあげる♪」

シエルは心の中でゼータを嘲笑していた。

ふっふ〜ん♪私に嫌がらせをするからこうなるんだよ。

兄さんはいつでも私の味方をしてくれるって訳、ゼータマジざまぁw

「ま、まぁ皆生還できた訳だしいいじゃない。それよりこれからの事を話しておきたいんだけど...」

「賢者の皆さま方、この度はこの町の危機を救ってくださり、誠に感謝申し上げます。そこで皆様に何かお礼をしたいと思うのですが、この町に滞在している間は私の屋敷を自由に使っていただくというのはどうでしょうか?」

ヘスティアが今後の話をしようとしていた所に町長のポールが話しかけてきた。

確かに拠点にさせてもらえるのはありがたいけど、この町を守ったのは私達だけじゃない。

ここに居る兵士たちも力を尽くしてくれたわけだし...

「...私達だけ特別扱いしていただかなくてもいいですよ。それに他地域との交易を停止していた分の復興もあるでしょうし_」

色々と考え、ヘスティアがポールの提案を遠慮しようとしていた時、王国軍第一師団長のフォーグがやってきた。

「いや、あなた方はそれだけのことをやってのけた。我々では物資を消耗するだけで、ゲートの問題を解決することはできなかった。我々の事は気になさらなくていいのだが...重症でありながらもこの町のために戦っていたルナ殿だけは、賢者の皆さまと同じ扱いをしていただきたい。」

「えぇ、賢者の皆さまは遠慮なさらなくてもよいのです。それとルナ殿の件、私は構いません。というより、私から提案しようかと思っていたところです。賢者の皆さまはそれでも構わないでしょうか?」

遠慮しようと思っていたヘスティアは、ポールからもフォーグからも相応な扱いを受けるべきだと促された。

ここで断るのも悪いし、提案を受け入れるべきなのだろうけど、私一人の判断で決定していいのかしら...

そう考えながらヘスティア仲間の方を見ると、アルスとエリスは2人で話しており、ソイルとシエルとゼータは3人で話しており、“全てヘスティアに任せる”といった雰囲気であった。

…まぁ、いいってことなのでしょう。

「えぇ、こちらも大丈夫です。ではお言葉に甘えて、屋敷を利用させていただきます。」

「ヘスティア殿に一つお願いがあるのですが、ルナ殿を頼めますか?こちらに来られた時に話を聞かせていただきましたが、ルナ殿を助けたのはヘスティア殿とのこと。それならばルナ殿が目を覚ました時、ヘスティア殿が近くに居た方が安心するのではないかと思ったのです。」

「分かりました。ルナさんが目を覚ましたら、ここに来るように伝えておきますね。」

そしてヘスティアは仲間に町長の屋敷を利用できる事と、ルナを一緒に連れていく事を伝え、移動の準備をさせた。

「ゲート問題の解決に続き、ありがとうございます。」

「私からも今一度感謝申し上げます。それでは、こちらです。」

準備が終わり賢者たちが集まると、ポールによって屋敷へと案内された。

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