第7話
騎士団総本部食堂。
朝食に集まる騎士達の話題も予告状の話が独占している。
トレインも朝刊の一面を流し見しながら朝食を摂っていた。
「当日は大変なのに、参加出来なくてすまない」
トレインの前の席にダイナが腰を下ろす。
「気にするな。
お前はリハビリに専念してろ」
「本当はもう治ってるのだけど……」
ダイナは自分の両手を恨めしそうに見ながら言う。
「医者が治って無いって言うんだろ?
なら治ってねぇよ。
大人しく休んでろ」
トレインの正論にダイナはぐうの音も出ない。
「なんなら女遊びでもしてたらいいじゃねぇか。
気分転換に丁度いいぞ」
「お前達が大変な時にそんな事出来るわけ無いだろ?」
「その背徳感が癖になるかもよ」
調子のいい事を言っているトレインの頭が後ろから思いっきり叩かれた。
「痛っ!
何するんだよレイナ」
「ダイナはあんたとは違うのよ」
レイナはトレインを咎めると、そのまま隣の席に座る。
「女遊びはともかく、トレインの言う事も一理あるわよ。
ダイナには気分転換が必要よ」
「そうは言うけどさ」
「休める時に休むのも騎士にとって大事な事。
グラハム総長がいつも言ってるでしょ?」
「そうそう、ずっと気を張ってると滅入ってくるだろ?」
二人の言葉にダイナは渋々頷く。
そもそも剣を持つ事すら禁止されているダイナは何も出来ないのだが。
「可愛い嫁さんがいるんだから、デートでもして来いよ」
「おい!
アイビーはそんなんじゃないぞ!」
「そうなのか?
毎日健気に身の回りの世話に来てるからてっきり」
「アイビーは妹みたいなものだ。
決してそんな疾しい関係じゃない」
ダイナが真剣に怒るがトレインは全く気にしない様子だった。
レイナはそのやり取りに呆れながらも、ダイナに提案する。
「妹だとしてもあれだけお世話になってるのだから、お礼ぐらいしてあげたら?」
「そう言われるとそうかもな。
今度食事にでも誘ってみるよ」
「それがいい。
きっとアイビーちゃんも喜ぶぞ」
少し沈黙が流れて三人共食事を終わらせる。
「私達は作戦会議があるからそろそろ行くわね」
「二人共気をつけてくれ。
ナイトメア・ルミナスは只者じゃない」
「わかってるわ。
でも私達も負ける訳にはいかない」
「頼んだ」
「頑張ってな」
「あんたも来るのよ!」
ダイナと一緒に見送ろうとしたトレインをレイナは引きずって作戦会議へと向かった。
ダイナは苦笑いしてからリハビリへと向かう。
その背中を見ながらトレインは呟いた。
「頼むから大人しくしていてくれよ」
「何か言った?」
「今夜はどのお姉ちゃんに会いに行こうかなって」
「このドアホ!」
トレインの頭を叩く音が食堂中に響き渡った。
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