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世界を生き抜く悪党の美学  作者: 横切カラス
3章 悪党は美術館がお好き
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第17話

四人の男が机を囲んでポーカーを嗜んでいる。


「また負けた!

全然勝てねー!」


その中でも一番の新人が負け続けて叫び声をあげる。


「今日も酒代お前持ちな」


「くそっ!

明日こそ取り返してやるから覚えておけ!」


捨て台詞を吐いて、酒を買いに負けた新人が外に出て行った。


それを見えなくなるのを待って、三人は笑いだす。


「今日で何日目だ?」


「5日目」


「あいつ、いつ気づくかな?」


三人はイカサマをして、いつ気づくかを賭けていた。


「まあ、これもドーントレスの洗礼だな」


「違い無い」


三人はまた大声で笑い出す。


そこに、さっきの新人が帰って来る。


「あれ?今日は早いな。

買いに行き過ぎて、店に用意されてたか?」


またしても三人はゲラゲラと笑い出す。


「いや、酒は買って来て無い」


「なんで?」


「良く考えたらおかしいと思って」


三人はついに気づいたかと顔を見合わせる。


「だって、これから死ぬから酒飲めないだろ?」


「え?」


と言った男が床へと転がる。

その男の首と胴体は別れを告げていた。


他の二人は何が起きたか理解出来ずに倒れた男を見つめる。


「先輩方もご案内しまーす」


また一人体と首が別々に床に転がる。


「ちょっ、ちょっと待て!

イカサマしたのは悪かった。

だけど、これはやり過ぎだろ!」


残った男は声を震わせながら抗議する。

だが、新人は首を傾げる。


「イカサマ?

違うよ。

先輩方が死ぬのはここにいるから」


「ここ?」


「そうここ。

ドーントレスのアジトなんかにいるから」


「お前何者?」


その言葉を最後に他の二人と同じ運命を辿った。


三人を葬った新人はそのまま奥の扉を勢いよく開ける。


中の大広場にいた数十人が一斉に扉の方を見る。


「どうした新人?」


「敵襲です!」


「なに!?敵は何処だ!?」


「ここ」


また一人床に転がった。


大広場に居た全員が剣を取った、つもりだった。

しかし、誰の手にも剣は握られていない。


「ガラクタの剣ばっかりニャのだ」


扉付近でヨモギが積み上げられた剣を見ながら言う。


そこにいる誰一人として、剣をスられた事に気づかなかった。


「やっぱりいらニャいニャ」


そう言うと同時にヨモギの姿が消える。

そして剣が全員の元に返された。


ただ、その剣は全員の体を貫通していた。


そのまま全員が絶命する。


「ニャんだ。

これで終わりニャの?

つまらニャいニャ」


「ネコちゃん。

早く金目の物奪って帰る」


新人はいつの間にかミカンの姿へと変わり、ヨモギを急かす。


二人が金目の物を物色し始めた時、死体が一斉に破裂した。


その衝撃は建物を破壊し、衝撃音は寝静まる王都響き渡った。


「あ〜あ、壊れちゃったニャ」


「でも回収は終わった」


空中に避難した二人は、瓦礫の山となったアジトを見下ろす。


そこに、本物の新人が酒を両手に帰って来て呆気に取られている。


「な、な、な、何が起きたんだ!?」


新人はなんとなく上を見ると二人と目があった。


「浮いてる!?

お、お前達がやったのか?」


「そうニャ」


「なんなんだお前達は?」


「ニャイトメア・ルミニャス」


「ニャイト……なんだって?」


「ネコちゃん、言えて無い。

ナイトメア・ルミナス」


「ニャーはそう言ったニャ!」


「そうだね。

良く言えたね。

帰ってご飯食べよ」


食ってかかるヨモギを適当にあしらって、ミカンは闇夜に消える。


「ご飯だ!」


ヨモギも続くように闇夜に消えた。

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