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世界を生き抜く悪党の美学  作者: 横切カラス
3章 悪党は美術館がお好き
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第9話

次の日。

今日は何も予定が無いので惰眠を貪ろう。

何も考えずにゴロゴロダラダラするの最高だな〜


だけど、至福の時は長くは続かなかった。

なんとまたヨモギが侵入してきた。

今日は隠れる気がないみたいで、普通に僕のベットまでダッシュで来てダイブして来た。


「ボス!起きて!

起きて欲しいニャ」


「どうしたの?」


僕の上に馬乗りになったヨモギに尋ねる。

ヨモギは、なんか半べそをかいている。


「今朝スミレ様に怒られたニャ」


「なんで?」


「ボスに手紙渡してニャい」


「そういやそんな事言ってたね」


「今日は渡す!今すぐ渡す!

そしたら忘れニャい!」


そう言ってボディスーツの中に手を突っ込んで、胸の谷間から三つ折りの紙を取り出した。


「これニャ。

間違いニャい。

はい、ボス。

今日こそ渡したニャ!」


「うん、今日こそ受け取った」


「よかったニャ。

これで怒られニャい」


「そうだね。

僕もずっと忘れてたから、一緒に謝ってあげるね」


「ほんと!!

ボス優しいニャ!」


そしてスミレに言ってあげよう。

ヨモギにお願いするのが間違ってるよって。


「とにかく、どいて貰ってもいい?」


「ニャんで?」


「なんでって……」


「ニャーはここがいいニャ」


「そうか……

なら仕方ないね」


「仕方ニャい」


僕はこのままの体制で手紙を開けようとした時だった。


ピンポーン。


僕の部屋のチャイムが鳴った。

何気に初めて鳴ったから自分の部屋だと気付くのに時間がかかった。


「ボス、誰か来たニャ?」


「誰か来たね」


誰だろう?

僕を訪ねて来るのなんてヒナタぐらいだけど、ヒナタならチャイム鳴らさないし。


ピンポーン。

ピンポンピンポンピンポーン。


「出ニャいニャ?」


「出ない。

今日は誰とも約束してない」


そして、ドアの向こうにリリーナがいる事がわかったから絶対に出ない。


ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン。


「しつこいニャ」


「しつこいね」


ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン。


……


やっと収まった。

本当に休日のこんな朝早くから常識無いよね。


ガチャリ!


え?まさか鍵が開いた!?


バンッ!!


扉が勢い良く開く音が聞こえたと同時にヨモギは姿を消す。


ドタドタと足音が聞こえて来て、寝室のドアが勢い良く開かれた。


「やっぱりいるじゃない!

いるならさっさと出なさいよ!」


我が物顔でリリーナが現れる。

なんで僕の部屋の鍵を持ってるかは不明だ。


「えーと……昨日ぶりだね。

もしかしてだけど、部屋間違ってる?」


「間違ってないわよ」


ですよね。

間違うわけないよね。

正反対だもんね。


「もしかしてだけど、僕と君の部屋の鍵って一緒?」


「そんなわけ無いじゃない。

それだったら、あんたが私の部屋に勝手に入れる事になるでしょ。

そんなの困るわよ」


「既に僕は困っているんだけど……」


「あんたはいいのよ」


よくは無いと思うんだけどな……


「とりあえず私が来てるんだから起きなさい」


「そんな横暴な〜」


「あと、誰かいたの?」


一瞬ドキッとした。

ヨモギは何の痕跡も残していないはずだ。

そもそも、誰が居ようが僕の勝手なんだけどね。


「誰もいないよ。

強いているなら、何故か君がいる」


「ふ〜ん」


何か意味ありげな目で僕を見るリリーナ。


「いいわ。

私は部屋を物色しとくわね」


そう言って寝室から出て行った。


いやね。

別にいくら物色されてもいいんだよ。

何もやましい物は無い。

やましい物は全てギルドに置いてある。


だけどなんだろう?

早く起きないといけない気がして来た。



着替えて寝室を出るとこの女、本当にに物色してやがった。

こいつは前世に遠慮と良識という物を置いて来たのだろうか?


「あんたコーヒーも紅茶も無いのね。

せっかく入れてあげようと思ったのに」


「無いよ。

僕は苦い物が嫌いなんだ」


「お子ちゃまね」


「お子ちゃまで悪かったね」


「いいじゃない。

なんかカワイイし。

だけど、私が飲むから置いときなさい」


「嫌だよ。

なんで君の分を置いとかないといけないのさ」


「ここは私の分置いとくスペースね」


僕の話を無視して、リリーナが空っぽの収納スペースの一つを開けて言った。


「なんでだよ」


「いいじゃない。

どうせこんなに広いのだし」


「君の部屋も変わらないだろ」


「いちいち持って来るのめんどくさいじゃない」


「なんで入り浸る前提なんだよ」


「だって合鍵あるし」


「それだよ、それ。

なんで鍵を持ってるのさ」


「あなたがくれたんじゃない」


わざとらしく頬を赤らめて照れた仕草をする。

そんな仕草で騙される僕では無い。


「あげてない。

絶対にあげてない」


「おかしいわね?

あなたのお父様経由で貰ったはずなんだけど?」


「あいつ、なんて事してくれたんだ」


「あいつなんて、お義父様に失礼よ」


「今、どさくさに紛れて義をつけたな」


「そんな事どうでもいいから座りなさい」


「君はどうでも良く無い事しか言ってない」


「いいからこれを見なさい」


そう言ってリリーナは新聞を僕の前に突き出す。

日付を見ると今朝の新聞だ。


その一面にデカデカと載っている見出しに目をやる。


『王立美術館襲撃!!

国宝ロビンコレクション盗まれる!!


本日未明に王立美術館の壁の一部を破壊してロビン・アメシスの作品4点が盗まれた。


現場にはテロ組織ドーントレスからの犯行声明が残されており、騎士団は関係性を調べている。


専門家は、破壊された壁はロビンコレクションの間近であり、美術館内に詳しい人間が事件に関わっている可能性が高いと言う見解を示している』


「へえ〜盗まれたんだ。」


って事は……

やったー、今すぐ手に入るではないか。


「なんであんた嬉しそうな顔してるの?」


「え?そんな顔してた?」


危ない危ない。

つい顔に出ちゃった。


「まあいいわ。

早く準備しなさい。

行くわよ」


「へ?どこに?」


「美術館に決まってるじゃない」


「こんな事があった後だよ、今日は閉館に決まってるよ」


「鑑賞に行くわけ無いでしょ!」


「じゃあなんで行くの?」


「なんでって騎士団に文句言いに行くに決まってるでしょ!」


「ごめん、全然意味わからない」


「だって騎士団は絶対ルナを疑うわ。

そんな事ありえないのに。

無駄な時期使ってる間にさっさと捕まえなさいって文句言ってやるの!」


どうやらルナの事を気にしているらしい。

以外と友達想いなんだな。


「何か証拠あるの?」


「そんなの無いわよ」


残念ながら行き当たりばったりだ。

証拠が無いならルナかもしれないね、とは言わないでおこう。


「いってらっしゃい。

気をつけてね」


「あなたも来るのよ!」


「嫌だよ。

めんどくさい」


「大切な婚約者が危ない事に首突っ込もうとしてるのに、あなたは放置出来るわけ?」


「首を突っ込まずに、騎士団に任せたら?」


「うるさいわね!

ずべこべ言わずに来ればいいのよ!

でないと、部屋の鍵勝手に変えるわよ」


「やめろよ。

そんな事したら部屋に入れないじゃないか」


聞いた事無いぞ、そんな新手の脅し。

でもこの女ならやりかねない。


「なら行くわよ」


「……わかったよ。

今から準備する」


「早くしなさいよ」


僕は諦めて寝室に戻って着替える事にした。


よく考えたら、先に鍵変えてしまったら良くない?


「勝手に鍵交換したら扉を叩き壊すから」


寝室の外からリリーナが叫んでいる。


なんか僕の周りって心読める女が多く無い?


「そんな事したら修理代請求するよ」


「いいわよ。

いくらでも払ってあげる」


そういや、こいつは金持ちだったわ。

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