第33-1話
僕の身内に手を出した結果、全てを奪われて絶望の中で跡形も無く消える悪夢のフィナーレ。
その後について少し話をするね。
女神の記念日も終わり、世界はお祭りムードから年末の慌ただしいムードへと変わった。
学園は冬休みとなった。
コドラ公爵は出世して、王都に移住するらしい。
その分挨拶周りも大変なんだって。
リリーナも一緒に行ってるから、最近顔を出さない。
父も公爵へ異例の出世を果たして、僕は公爵の息子となっていた。
今までも父の底知れなさには驚かされて来たけど、今回は特に驚いたね。
一体何階級飛んだんだろう?
あんまり階級には興味ないからわかんないや。
それによって挨拶周りは例年と比にならないぐらい沢山あるらしい。
ヒナタとシンシアは両親と共に行っている。
だから平和な毎日を送れている。
え?僕はだって?
こんなポンコツ息子はアークム家の恥だからね。
行かない方が断然いい。
僕は僕で後処理が残っている。
サゴドン君から奪った物の整理だ。
王国一の貴族だけあって凄い量のお宝をだったよ。
今回もみんなに手伝って貰ったから山分けしよう。
僕は奪って来たお宝を一つ一つ吟味しながら並べていく。
この時間は凄く好き。
ついつい鼻歌歌っちゃうぐらい。
「ヒカゲ様、よろしいですか?」
ミリアが畏まった感じで声をかけて来た。
「どうしたの?
ミリアも何か欲しいのあるなら言いなよ。
早い物勝ちだからね」
「いえ、お尋ねしたい事がありまして」
「なあに?」
「製薬事業はどう展開する予定ですか?
もし可能なら私にやらせて――」
「ちょっと待った待った。
一体なんの事?」
「なんの事って、サゴドン公爵から奪った薬の製造法とかの事です」
「……ああ、あったねそんなの。
でも事業なんてやらないよ。
めんどくさい」
「でも、莫大な利益がと仰っていたではありませんか」
「売っちゃうんだよ。
金儲け好きの貴族にね」
ミリアはそれを聞いて何か考えだした。
そして意を決したように僕に言った。
「ならそれを私に売ってくれませんか?
お金はすぐには用意出来ませんが、必ずお支払いします。
だから――」
「いいよ。
じゃあ全部あげるよ」
「え?お金は?」
「あげるって。
お金はいらないよ」
ミリアは面食らって固まってしまった。
僕なにか変な事言ったかな?
「その……それはありがたいのですが、本当によろしいのですか?」
「言ったろ。
欲しい物は早い物勝ちだって」
悪党同士なんだから早い物勝ちにした方が争いが無くていいもんね。
「はあ……」
ミリアはまだ納得出来ないみたい。
やっぱりこの子は悪党には向いて無い。
「そこまで言うならお代を貰うよ。
でも金銭じゃないよ」
「と言うと、いよいよ私の胸を揉みますか?」
「まだ引っ張るのそれ?」
引っ張り過ぎだって。
あまり引っ張ると本当に揉んじゃうよ。
「お代は名前だよ」
「名前ですか?」
「そう、ミリアって名前。
それを僕にちょうだい」
「申し訳ありません。
意味が良くわからないのですが……」
「明日からはミリアって名乗ったらダメだって事。
それからさっき言った通り僕は事業に関わるつもりは無い。
だから僕達は君との関係を全て断ち切る。
今日でさよならだミリア」
丁度ミリアの保護の依頼も終わったしね。
今が潮時だ。
「ルリ」
「はい。
ルリはここにいます」
「ミリアに奪って来た製薬事業関係の物を全部あげて」
「わかりました」
「あと、サゴドン君が死んで元の使用人として働けなくなったミリアの姉妹の居場所も把握してるよね?」
「はい」
「その子達の居場所も教えてあげて。
それをどうするかはミリアに任せるけど、どうせ人手はいるでしょ?
それから事業をすぐに初められるように土地とか設備も用意してあげてね。
場所は南部がいいんじゃないかな?
ノウハウを持った元従業員も沢山いる事だし」
「そんな!
そこまでしてもらう訳には……」
「でも無いと困るでしょ?」
「それはそうですが……」
もう焦ったいな〜
貰える物は貰っとけばいいのに。
仕方ないな〜
「わかったよ。
それもタダでとは言わないよ。
そうだな〜
じゃあ事業が上手く軌道に乗ったら僕が遊びに行くよ。
その時にいよいよその胸を揉ませてもらうね」
「そんなのでいいのですか?」
「自分を安売りしたらダメだって言ったでしょ。
言っとくけど、本当に容赦無く思う存分揉むからね。
どんなに嫌がっても僕が満足するまで徹底的に揉むから覚悟しといてよ」
「ありがとうございます」
いやいや深々と頭下げてるけど、意味わかってる?
大丈夫かな?
そんなんで、これから事業展開出来るのかな?
「マスターは大きい方がお好きなのでしょうか?」
なんかルリが寂しそうに自分の胸を見ながら小声で呟いている。
失礼な。
僕は大きいのも小さいのも大好きだ。
ルリがミリアを連れて行くのを見守ってると、スミレが音も無く現れた。
「ミリアにサゴドン公爵を殺させなかったのはこの為でしょ」
「まあね。
麻薬を運んでた運び屋ぐらいならまだしも、公爵殺しとなると話が変わってくるからね。
あんな奴の為に業を背負う事なんて無いさ。
あの子は悪党では無いからね。
そうだ、ミリアの事業が上手く行くように根回ししといてよ。
薬を作っても王国の認可が降りないと医薬品として売れないからね。
でも、バレないようにね。
そういうの得意なおっさんいたでしょ?」
「ええ、あのスケベオヤジね。
任せておいて。
それにしても、そんなにあの子の胸揉みたいわけ?」
「違うよ。
あれはあの子を納得させる口実」
「でも揉みたいんでしょ?」
「そりゃあ、あの胸はとても魅力的だからね」
「私の胸もあの子に負けないぐらい魅力的よ。
私のならいつでも好きなだけ揉んでいいからね」
スミレが耳元で呟くと、イタズラっぽくクスッと笑った。
全くこの子の冗談は心臓に悪い。
本当に揉みしだいてやろうか。
「今回のお宝は君達で好きに分けたらいいよ。
僕は金貨だけ少し貰っていくね」
あんまり長いすると、本当に揉みたくなって来そうだから僕は秘密基地の自室に逃げ込んだ。
良く考えたら、これが僕のお宝の取り分を減らす作戦だったのかも?
なかなかの策士だ。
「お疲れ様です。
ナイトメア様」
部屋はピカピカに掃除されていて、エロい下着姿のミレイヌが待っていた。
そういやこの子を飼ってたんだ。
この子どうしようかな?
もう用が無いし殺しちゃおうかな?
「何かご用命はありませんか?」
僕がベットに腰掛けると、ミレイヌは目の前に正座して何か物欲しそうな顔で僕を見つめる。
僕はその身体を見て生唾を飲み込んだ。
殺すにしても、その前にちょっと遊ぼう。
素足の胸を弄ると甘い吐息を漏らしながら身体を良がらせる。
「ご用命って?
僕は何も無いよ。
でも欲しいのは君だよね?
ほら言ってごらん?」
「ご慈悲が欲しいです」
「慈悲ってなに?
僕に分かる様に行動で示してごらん」
ミレイヌが全裸になって僕の上に跨った。
こいつは丁度いいや。
飽きるまで僕の性処理道具として飼っておこう。
なんたって最近失敗したばかりだからね。
適度に発散しとかないとね。
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