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世界を生き抜く悪党の美学  作者: 横切カラス
8章 悪党は全てを奪い去る
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第21話

ミスコンへのエントリーも無事終わり、リリーナと昼食を取る事にした。


途中、魔法剣士学園の特待生の集団とすれ違った。

どうやら自由時間は一旦終わって、みんなで昼食みたいだ。


でも、そこにヒナタの姿は無かった。

どうやら本当に一日ハヌルのエスコートを受ける事になったようだ。


すれ違いざまに、男子生徒全員から睨まれた。

相変わらず僕は嫌われ者みたいだ。

流石僕だ。


だけど、一番眼光鋭く睨んで来たのはシンシアだったよ。


「後で話があるから」


って棘のあるお言葉も頂きました。

お友達と楽しくおしゃべりしてる所に僕を見たから機嫌が悪いみたいだ。

とても心が痛い。


「あ、そうだ。

ダーリン。

私行きたい所あるの。

一緒に来てくれる?」


昼食を終えたリリーナが笑顔で言った。


「さっきから君の行きたい所にしか行って無いよ」


「なら問題無いわね」


「今の会話からその答えが導き出せるなんて凄いね」


「だってダーリンが行きたい場所なんて無いでしょ?」


「それは――」


「あっても聞かないけど」


「でしょうね」


リリーナは楽しそうに僕の腕を引っ張って行く。

まあ、時間まで付き合うとしよう。


敷地の少し外れには殆ど人がいなかった。

そこにある小さな教会の前でリリーナが止まった。

どうやらここがリリーナの目的地らしい。


「ここには教皇様がいて、みんなの悩みを聞いてくれたりするのよ。

ダーリンも悩み聞いて貰ったら?

最も、ダーリンには悩みなんて無さそうだけどね」


「失敬な。

僕にも悩みはあるよ」


「あら?なら私が聞いてあげるわよ」


教皇様に聞いてもらうんじゃ無いんだ……


「もっと自由な時間が欲しいな」


「なに?そんなに私と一緒にいたいの?

仕方ないわね。

もっとダーリンとの時間増やしてあげるわね」


「聞いてた?

僕は自由な時間が欲しいんだよ」


「それは私との時間を増やす為でしょ?」


「違うよ。

1人の時間が欲しい――」


周りに誰もいないから、本日初めてのボディーブローが炸裂した。

今日は一段と理不尽だ。


「私との時間を増やしたいのよね?」


「僕は1人の時間――」


二回目。

よく考えたら、片腕を拘束されながらのボディーブローだから逃げ場が無くモロに入ってくる。

なんたる理不尽。


「ダーリン。

私良く聞こえなーい。

私との時間が欲しいって言いたいのよね?」


「だから違うって――」


三回目が炸裂した。

なに?

もしかして殴れる内に殴っておこうって事?

それ酷くない?


「ねえ、痛いんだけど」


「私も拳が痛いわ」


「なら殴るの辞めたら?」


「だってダーリンが嘘吐くから。

私はダーリンの正直な所が好きなの」


「だから正直に言ってるじゃないか」


「照れなくていいのよ。

さあ、行ってご覧なさい。

リリーナともっと一緒の時間が欲しいな〜って」


「リリーナ。

そう言う事は強制したらダメだと思うんだ」


「えーい」


四回目。

可愛い掛け声出したからって痛みが無くなるわけじゃないんだよ。


「愛してるリリーナともっと一緒の時間が欲しいな〜でしょ?」


「何気に要求増えてるよ」


「世界で一番愛してるリリーナともっと一緒の時間が欲しいな〜よね?」


「世界で一番愛してる僕自身の1人の時間がもっと欲しいな〜」


「ダーリンったら、本当に照れ屋さん!」


「あのリリーナ。

流石に五発はやり過ぎだと思うんだけど」


「なら正直にリリーナを世界一愛してるって言いなさい」


「何気に要求変わってるよ」


「いいのよ。

私はダーリンに世界一愛してるって言って欲しいの」


「僕が世界一愛してるは自分自身だよ」


「そんな事知ってるわよ」


知ってるのかよ。

なら正直に言ってるってわかってるじゃん。


「それでも私はダーリンの一番がいいの」


「えー、わがままだなー」


その時教会の扉がゆっくり開いて、なかからアンヌが出て来た。


「あっ、アンヌだ。

やっほー」


やったー、アンヌだー。

こんな所で会えるなんて幸運だな〜


「ヒカゲ君、こんにちは。

リリーナさんもこんにちは」


「こんにちは」


ねえリリーナ。

笑顔で挨拶返しながら抓るの辞めてくれない?

凄く痛いんだけど。


「二人共、いつも仲良しですね」


「はい、ダーリンとはいつも仲良しです」


僕はとても痛いです。


「アンヌは教会になんの用事?」


「教皇様にお会いして来たの。

こういう機会が無いと滅多に直接お話し出来ないから。

あとお祈りもして来たわ」


「何をお祈りして来た?」


「それはね。

……えーと、なんだったかしら?」


アンヌは本当に忘れたのか、キョトンとして首を傾げている。

その仕草が超可愛い。


だから痛いって。

なんで抓るの強くなるの?


「なんか最近ボーッとする事多いのよね」


「大丈夫?

疲れてるんじゃない?

ゆっくり休んだ方がいいよ」


「そうね。

ゆっくりお休み取ろうかしら?」


「それがいいよ。

それと、今度からお祈りは僕の所に来てね」


「なんで?」


「何処ぞの女神なんか当てにならないよ。

僕ならアンヌの願いをなんでも聞いてあげちゃう」


アンヌのお願いなら世界だって滅ぼしちゃうよ。


「そんな罰当たりな事言ったら、めっ!ですよ」


「はーい」


そのめっ!ってやつ久しぶり。

何回見ても超可愛い。


「私は学園長とお会いする約束があるので行きますね」


「うん、バイバーイ」


「はい、バイバーイ」


僕が手を振ってさようならしたら、アンヌが可愛く手を振ってくれた。

やっぱりアンヌは凄く優しい。


「痛い痛い痛い。

痛いって。

なんでずっと抓ってるの?」


「このシスコン!」


「僕の姉妹はみんな可愛いからね。

シスコンになるのは必然と言える」


「私だって可愛いでしょ!」


「リリーナも可愛いよ。

でもアンヌは僕に優しい」


「優しく無くて悪かったわね!」


ほら、そうやってすぐにボディーブローする所だよ。

やっぱりアンヌとは大違いだ。

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