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世界を生き抜く悪党の美学  作者: 横切カラス
8章 悪党は全てを奪い去る
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第10話

ホロン王国では女神の日が近づくと大切な人にプレゼントを渡すと言う習慣がある。


当日は女神を祝福する日だから、前日までに渡すのが常識だ。


その事でシンシアとアイビーはヒナタの部屋にお呼ばれしていた。


「じゃーん!

見て見て、これ可愛いでしょ」


ヒナタが買ったばかりの犬の着ぐるみパジャマを披露した。


「凄く似合ってる」


「めちゃくちゃカワイイ」


二人は白い犬姿のヒナタを絶賛した。

ヒナタは褒められて有頂天になる。


「でしょでしょ!

街で見かけてあまりにカワイイから買っちゃった。

二人の分もあるよ〜」


ヒナタはそう言って色違いのパジャマを2つ出して来た。


「シンシアは柴犬でアイビーが緑。

二人にプレゼント。

これ着てパジャマパーティーしよ!」


それを見たシンシアとアイビーは今度は難色を見せた。


「いや、それはちょっと……」


「流石に恥ずかしい……」


「えー!なんでー!

カワイイじゃん!」


「確かにカワイイとは思うけど……」


「私達だとヒナタ程似合わないし……」


「そんな事無いよ〜

お揃いにしようよ〜

お兄ちゃんの分も買ったんだよ〜」


「は!?」


「え!?」


二人が驚いてるのを他所にヒナタはもう1着出して来た。


「お兄ちゃんは黒猫。

それっぽいでしょ?」


「あんたってどんだけお兄ちゃん好きなのよ」


アイビーは呆れながら言っている横で、シンシアはちょっと見てみたいと思っていた。


「お兄ちゃん大好き。

これ着てあのカワイイ猫のポーズしてもらいたいんだ。

絶対カワイイ!」


「それは私も見たい!」


シンシアが思わず声を上げてしまった。

慌てて取り繕おうとするが、もう遅かった。


「あんた達二人ともお兄ちゃん好き過ぎるでしょ」


「そんな事無いもん」


アイビーに言われてシンシアは恥ずかしくなって口を尖らせるが、全然否定出来ていなかった。


「アイビーだってあの騎士のお兄さん好きなんでしょ」


「なっ!?」


ヒナタの言葉にアイビーの心臓の鼓動が早くなる。


「い、一体、な、な、なんの事を言ってるのかな〜」


「えー、私見ちゃったよ。

街でアイビーがデートしてる所」


「いや、あれは違うの!

あれは、その、お見舞いに行ったお礼にってだけで……」


「毎日甲斐甲斐しくお見舞い行ってたもんね〜」


「それは、昔からお世話になってるからで……」


「私も見たよ。

すっかり恋する乙女の顔になってたよね?」


シンシアが反撃とばかりにアイビーに詰め寄る。


「あのお兄さんにこのパジャマ姿を見せてあげようよ」


「それいいね。

さあ、アイビー早速着てみよう」


「無理無理!

そんなの無理だって!」


「大丈夫だよ。

アイビーカワイイから」


「そうそう。

思い切って着てみよう」


ヒナタとシンシアがアイビーに迫る。


もしダイナがカワイイと言ってくれるなら着てもいいかもと、アイビーの心は傾きかけていた。


その時ヒナタが持っていたパジャマを落として、窓の外を見つめた。


「どうしたの?」


シンシアは不思議そうにヒナタの顔を覗き込むが、その瞳から光が消えていた。


「まさか!」


「行かなきゃ」


「ちょっとヒナタ!」


シンシアが引き留めようと伸ばした手は空振りに終わる。

ヒナタは剣を取って窓から飛び降りた。


「アイビー!

剣を持って来て!」


シンシアも後を追って窓から飛び降りた。

アイビーも急いで自室に戻って剣を二本持ってから二人を追いかけた。

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