第27話
何も無いだだっ広いだけの正方形の部屋。
その真ん中に闘技場の様なまん丸のリングがあった。
「僕に何かと闘えって事みたいだね」
僕はひょいと跳んで闘技場の上に立つ。
すると、闘技場の周りに透明な結界が展開された。
「私はここであなたの勇姿を見ていたらいいみたいね」
「そうだね。
まあ心配しなくていいよ」
「ええ。
何も心配して無いわ」
いや、ちょっとは心配して欲しいかも。
まあ、僕の事なんて名前だけギルドマスターぐらいしか思って無いだろうから仕方ないか。
僕はナイトメアスタイルに身を変身して相手を待つ。
「待っていたよナイトメア」
月光の様な柔らかい光がヒト型を成していく。
その光が実体になって好青年が姿を現した。
「こうやって実際に話すのは初めてだね。
改めて名乗ろう。
ロビン・アメシスだ」
好青年のロビンは清々しい挨拶をした。
「まずは二度目の挑戦を受けてくれてありがとう」
「こちらこそ悪いな。
随分と待たせて」
「思ったよりも早かったよ。
もしかして、この世界の生活はつまらなかった?」
「そんな事は無い。
お前の言った通り、経験した事の無いような胸踊る体験をさせて貰ってるよ」
「この世界を気に入ってくれて良かったよ」
なんて爽やかな笑顔。
まさにイケメンの笑顔だ。
「それで、お前と戦えばいいのか?」
「そうだね。
君と戦えるのを楽しみにしていたよ。
でも、先にお客さんをご案内しよう」
「ナイトメア。
それにスミレ」
入って来たリリーナが僕達を見て声をあげる。
後からルナとトレインが入って来た。
「お前が招待したのか?」
「いやいや。
勝手に入って来たんだよ。
君があれだけ派手に魔力を使って入り口を開けたから気付かれたんだよ。
それに仕掛けもめちゃくちゃにするからここまでノーストップだったよ」
あれ?
もしかして僕が悪いのか?
「まあ、いいじゃないか。
観客は多い方がいい」
ロビンが指を鳴らすとリングの外に4人分のソファーが出て来た。
「気が効くわね」
いつの間にか白い仮面で目元を隠したスミレが、そう言って何も警戒せずにソファーに座る。
「あなた達も座ったら?
彼の闘いを間近で観れる機会なんて無いわよ」
もしかしてだけどスミレが僕を見せ物にしようとしてる?
お金でも取るつもりかな?
なんか三人も素直に座ってるし……
まあ、スミレの懐が潤うならなんでもいいや。
「では始めよう」
ロビンは魔力で拳銃を生成して銃口をこっち向ける。
「面白い。
こっちの世界観的に合わないから使わないでいたが、久しぶりに使うとするか」
僕はロビンに合わせてリボルバーを生成して構える。
お互い同時に引き金を引いたのが開戦の合図。
体を捻って魔力の弾を避けながらもう一発発砲する。
ロビンは二発とも躱してからもう一発。
それを左手で弾いてから更に撃ち込む。
曲芸の様にロビンが手を使わずに側転しながら連射してくる。
僕は気力で身体強化をして横に走りながらロビンを狙い撃つ。
着地したロビンも反対方向に走りだした。
彼も気力による身体強化がされている様だ。
2人の距離は一定のまま。
リング内に銃声が鳴り響く。
休み無く飛んでくる弾を掻い潜りながら、休み無くリボルバーを連射する。
前世でも銃撃戦をする事はあった。
だけど、弾を見てから避けれる奴なんて僕以外いなかった。
面白い。
やっぱり君は面白いよ。
僕も出し惜しみはしない。
『動くな』
『嫌だね』
僕の言霊をロビンが跳ね除ける。
『君こそ止まりなよ』
『断る』
お返しとばかりに今度は僕が跳ね除ける。
ロビンがナイフを数本生成して左手で投げる。
同じ様に僕もナイフを投げた。
空中でお互いのナイフが弾き合う。
弾かれた僕のナイフは落ちる前に超能力で方向を変えてロビンに向かって飛んでいく。
ロビンも同じく超能力でナイフを動かして防戦する。
銃声だけでなく、ナイフのぶつかり合う音まで木霊する。
更に気力を込めて弾とナイフを掻い潜り僕は一気に距離を詰めた。
ロビンが僕に銃口を向けるが、それを刀で弾き飛ばす。
ガラ空きになったロビンに容赦なく振り下ろす。
「今回も俺の勝ちだ」
「まだまだ!」
ロビンは剣を生成して受け止めようと構えた。
だけど僕は更に刀の魔力を凝縮する。
半透明のオーロラ色に変わって僕の刀がロビンを剣もろとも袈裟斬りした。
「言っただろ。
俺の勝ちだと」
「負けたよ。
完敗だ」
ロビンは負けたとは思えないほど、心底楽しそうに言った。
「こんなに悔しいと思ったのは初めてだよ。
また挑戦を受けてくれるかい?」
「いつでも来い」
「じゃあ、また近い未来。
懲りずに挑むよ。
また会おうナイトメア」
ロビンは柔らかい光になってか消えた。
リングを覆っていた結界も消えた。
少しでも面白かったと思ったら下にある☆ ☆ ☆ ☆ ☆から、作品の応援をお願いします。
1つでも構いません。
ブックマークも頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。




