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世界を生き抜く悪党の美学  作者: 横切カラス
6章 悪党は世界の全ての敵となる
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第26話

次の部屋に入ると5色のスイッチが設置されたテーブルがあった。


赤、黄、青、黒、白の5色。


「順番通りにボタンを押さないと扉が開かないみたいよ」


スミレが何か壁に書かれた文字を読んでいる。


「間違ったボタンを押すとペナルティがあるみたいね」


「そのペナルティって何?」


「そこまでは書いてないわ」


「多分あれが動くんだろうね」


僕は奥の扉の両隣で仁王立ちしている大きな2体の鬼の石像を指刺す。


「いかにもね」


「でしょ」


まあ、ペナルティなんてどうでもいいか。

ようは押さなかったらいいって事だろ。


「一応ヒントっぽいのはここに書いてあるわ。

えーと……」


「読まなくていいよ」


「え?」


だって謎解きなんてめんどくさいじゃないか。


僕の拳が次への扉を破壊する。


「これで問題無く進めるよ」


「そうね。

その方が早いわね」


スミレが答えたと同時に2体の鬼の金棒が降って来た。

僕はすっと後ろに跳んで避ける。


「なんで?

ボタン押して無いのに?」


「おかしいわね。

扉を壊したらペナルティなんて書いて無かったのに」


「なるほど。

あえて嘘を書いて罠に嵌める作戦なんだ。

これは裏をかいたいい罠だ」


僕達目掛けて振り下ろされた金棒をスミレと一本ずつ切り落とす。


「1体任せていい?」


「もちろんよ」


僕達は同時に鬼へと走っていく。


横に薙ぎ払われた短くなった金棒をジャンプで躱して、そのまま脳天から真っ二つに切断した。


「本当に強くなったね」


「まだまだあなたには届かないわ」


スミレは鬼の切断面を見て言う。


確かに僕の切断面の方が綺麗だ。

僕もそう簡単には負けられないからね。


次の部屋を見るとずっと先に扉がある細長い部屋。


僕達は一緒に次の部屋に入る。

すると体が一気に重くなった。


「スミレ大丈夫?

ってえらい事になってるよ」


スミレの服が溶けて透けていた。


「そうね。

どうやら魔力が阻害されてるみたいね」


スミレは特に慌てる事無く冷静に言う。

この子は相変わらず羞恥心が無いようだ。


「見えてるよ」


と言うか完全に服がなくなっている。


「どう?

どこから見られても非の打ち所がない完璧な体でしょ」


「そうだね。

でも、少しは羞恥心を持った方がいいよ」


僕は上着のカッターシャツを脱いで肩にかけてあげた。


「別にあなたにならいくら見られてもいいわ」


「他の誰かに見られるなんて勿体無いよ」


「そう。

そこまで言うならこれ着とくわね」


スミレはやっと羞恥心が芽生えたのか、顔を少し赤らめてボタンを止めた。


「どう?

似合う?」


「君は何を着ても美人だよ」


「ありがとう」


でもカッターシャツ一枚って破壊力ヤバいね。

下が全裸だとわかっているから余計にエロスを感じる。


僕達は改めて進もうと一本踏み出した瞬間、踏んだ所が沈んだ。


すると部屋の両端の床が落ちて一本道となる。

更に両端の壁の一部が連続で飛び出して来たり、奥の方でギロチンが振り子のように動いたりしてる。


どうやら、この部屋のトラップ起動のスイッチだったみたいだ。


「魔力が阻害された状態から切り抜けろって事みたいね。

動きはランダムのようだけど、個別で見ると一定間隔で動いてるみたいよ」


「落ちたら大変そうだね。

一本道だし僕が前に行くね。

スミレはついて来て」


僕は何も考えずに一本道を進んでいく。


右の壁が飛び出して来る。

それを気力を込めた裏拳で粉々に粉砕する。

左から飛び出して来た壁も同じく粉砕する。


そんな感じ数回粉砕すると、高度は天井から落ちて来るパターン。

それも漏れなく3つ程粉砕した。


「フフフ。

なんかナイトに守られてるお姫様の気分」


スミレが僕の後を何の危険な事無くついてくる。


「騎士じゃなくて夜の方のナイトだけどね」


「そうね。

あなたはナイトメアだものね」


僕は軽口を叩きながら、振り子のように動いているギロチンを受け止めで引きちぎる。


それを投げて、後9枚続いていたギロチンを支えていた鎖を全て断ち切った。

ギロチンは全て奈落のそこに落ちていく。


「あんなに重たい物が落ちたのに一切音がしないなんて、相当深そうだね」


「もし私が足を滑らせて落ちたら、あなたは飛び込んで助けてくれる?」


「当然だね」


「即答してくれるのね」


「それが僕の美学だからね。

でも、落ちないように気をつけてね」


「わかってるわ。

試す為にわざと落ちるような事はしないわ」


スミレは楽しそうに笑う。

なんか凄く上機嫌だ。


次の罠は巨大な扇風機。

左右順番に壁に取り付けられていて、横から強風で落とそうとしている。


僕はジャンプして一つ目の扇風機の上に乗る。

そのまま抱えこんで扇風機を引っこ抜いて奈落の底に落とす。


僕は壁を蹴って次の扇風機に移動。

それを繰り返して、全ての扇風機を落としてから一本道に戻った。


「これでこの部屋は終わりかな?」


「あなたにかかればどんな仕掛けも楽勝ね」


「まあね。

伊達に長年悪党をやってないからね」


スミレみたいな美人に褒められると素直に嬉しいね。


僕も上機嫌になって一本道を渡り切る。

それと同時に後ろの天井が開いて大きな鉄球が振り子のように迫って来た。


僕ほスミレを抱いてクルッと場所を入れ替わると同時に、その勢いで鉄球に蹴りを入れる。


鉄球は粉々に砕け散る。


「ありがとう。

助けてくれたナイト様のお礼にはキスでいいかしら」


「そう言うのは受け付けておりません」


「あら、残念。

またの機会にとっておくわ」


それがいい。

そう言うのは大切な相手にとっておく方がいいに決まってる。


次の部屋は少し横幅が狭く、下り坂になっていた。

まだ魔力は阻害されているけど、特に仕掛けがありそうに無いので降っていく。


すると後ろで大きな物が落ちる音がした。


振り返ると道幅いっぱいの鉄球が転がって来ている。


段々仕掛けがシンプルになってるね。

初めの仕掛けに凝り過ぎて、飽きちゃたのかな?


こっちもワンパターンで申し訳無いけど、今回も気力を込めたキックで粉々に粉砕した。


第二段が来るかな?

とか思ったけど、そんな事は無く扉は開いた。


そのまま中に入ると体が一気に軽くなる。


「魔力阻害は終わったみたいね」


「そうだね。

だから服着たら」


「着てるわよ。

ほら」


スミレはシャツの下を捲る。

確かに紫色の下着を履いている。


「ちゃんと上も生成したわよ。

でもしばらくこの格好でいるわ。

あなたも気に入ってくれたみたいだし」


スミレはイタズラっぽく言う。


何故だ?

何故バレた?

下着が増えたのにエロスが変わらないって思ったのが何故バレたんだ?

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