私は、お父さまの掌の上
ブクマが900人を超えました。ありがとうございます~。
年末でやらなきゃいけないことが山積みなのに、寒くて動きは鈍いし、書くのも遅くなるし……でも、がんばります。
私は全然知らなかったけれど、もうずーっと前から護衛は付いていたらしい。離れたところに、私が気付かぬだけでいつも護衛はいたのだとか。
公爵家ともなれば、当然だと言われた。
アル、あなたが正解だったよ……。
というわけで、私が何度も下町へ行ってることは当然、お父さまは知っていた。
そもそも最初にメアリーを連れて出たので、メアリーがすぐ横にいるなら良いだろうと目を瞑ってくれたらしい。
また、普通、公爵家令嬢の側付き侍女なら貴族の娘がなるところを、私の場合はメアリーが務めているのも、奔放な私を守るために盾となる侍女の方が良かろうと許可されたとか。
私、お父さまの手で転がされていた……。
明かされてゆく事実に、呆然としちゃったよ。
まさかそんなに大切に守られていたとは。
だが、今回、安全なはずの王族の保養地で襲われるという事態が発生。犯人がアルを狙ったのか、私を狙ったのか不明な以上、厳戒体制をとることに方針転換をした(犯人は捕まっていない)。
───王族の保養地で起きた事件なんだから、狙いは絶対、アルだと思うけどなー。
あ、そうか。別の可能性もあるか。
“火龍公爵家”が王家に叛意ありと見えるよう仕向けるつもりだった、とか。
あのとき、わざわざ攫って小屋に閉じ込めた。森ですぐに殺さなかったのは、何か細工をして、私とアルを事故死に見せかけるつもりではなかったかと思うのだ。
その細工次第で、私がアルを殺したようにすれば、晴れて火龍公爵家は王家の敵だ。
ま、犯人の狙いはどうあれ、お父さまの決断は変わらない。
これからは、絶対に一人で行動しないよう命じられた。ここまで厳しい言い方をされたのは初めてだ。それだけ事態を重く見ているということだろう。
……イヤだけど…………イヤだけど、とりあえずは従うしか方法がないんだよね。
でもいいよ、守られるんじゃなく、ちゃんと戦えるようになってやるんだから!
ここでようやくアリッサ5才の章が終了です。ふう、長かった……!
明日からアルフレッド視点が数話、入ります。
さて、小説内に入れられなかったので、少々補足。
王城へお泊りした時、アリッサには王城まで護衛は付きましたが、中では王妃付きの護衛と侍女が付きました。諸事情により王妃付きのスタッフは、元火龍公爵家で働いていた人が多いので安心して任せられるのです。
そして、水龍公爵家の方は、メアリーが入口まで付き添いました。
王城に1人で行ったから水龍公爵家にも連れて行く必要はないだろうとアリッサが判断し、そこで屋敷に帰しています。1人で着替えたり湯浴みすることは出来るので、特に不便なし。でも、水龍公爵家はちょっとビックリしていたのでした。
ただ、主人の命で素直に帰ったメアリーは怒られる羽目に……。(今後、リックと一緒に貴族の常識を叩きこまれます)




