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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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常に護衛が付くことになりました

 後のことはよく覚えていない。

 爆発の音で耳がおかしくなり、アルが何か言ってもさっぱり聞こえず、くらくらしながらアルに手を引かれて森の中を走った。

 へろへろ状態で離宮に着いたらもう大騒ぎ、お母さまと王妃さまが駆け付け、半泣きで抱き締められ……どうやら、私はそのまま気を失ったようだ。

 次に意識を取り戻したのは、もう、王都の屋敷だった。

 ……移動、早っ?!

 そして目覚めてすぐに医師の診察。問題なしとの結果が出た途端、オリバー兄さまに抱っこされてカールトン領へ。

 で、

「アリッサは、しばらく屋敷から外出禁止」

と、お父さまから宣言された。

 えええ~?!

 少なくとも年内は“一歩”も屋敷から出るなと?

 今年の収穫祭では、孤児院のみんなとトゥーレンを作るつもりだったのに。

 ひどいよー……。

 拉致監禁犯め、許すまじ。


 悶々とした日々を過ごしていたら、お父さまから呼び出された。

 ブス~ッとした顔で執務室へ行くと、部屋の中にはメアリー、リック、テッドが並んでいる。

 まさかリックとテッドが屋敷にいるなんて。

 どうしたんだろう?

「これまで、お前はなるべく自由にさせていたけれど……これからはきちんとそばに護衛を置くことにしたよ」

 開口一番、お父さまはそんなことを言い出した。

「護衛?」

「メアリーは元々、護衛の役目も兼ねた侍女として雇っていた。今後は正式にアリッサの護衛兼侍女だ。どんなときでも、常にそばに付けなさい」

「え?ええっ?!メアリーが??」

 全然、強そうじゃないですよ?

 そもそも、最初の頃は鈍くさかったですよ?

 私が混乱していたら、メアリーがにこにこと説明してくれた。

「あたし、魔力が高いんです。でも、魔法は全然使えなくて。代わりに、身体強化がすごいんですよ~。そこを旦那様に評価いただいて雇ってもらったんですけど。今まではそのこと秘密にしてましたが、今後は何かあったときのお嬢様の盾ですから、ちゃんとおそばにいますね!」

「へっ?!盾?!そ、そんなのダメ、いくら身体強化しても鋭い剣で思いっきりぐさっとされたら……」

「刺さりません」

「……この間の小屋の爆発みたいなのが起きたら……」

「火竜の炎も耐えれます」

 マジか。

 メアリー、すごいな。

「それに以前から武術の特訓も受けてます。だいぶ上達したので、たぶん、ただの盾より役に立てますよ」

「……」

 いや、でも、やっぱり私を守ってメアリーを危険な目に合わせるのはどうかと……。単純に私がもっと護身術や魔法を鍛えたらいいだけの話じゃない?こんな小娘に護衛なんておかしいよ。

 戸惑う私に構わず、お父さまは次にテッドを指した。

「テッドも身体強化が使える。いずれはお前の護衛を務められるよう、今日からこの屋敷に住んで訓練を始めさせる」

「よろしく、お嬢!」

 え、テッドも?!

「そしてリックだが、彼は魔法が使えるようだ。将来、お前が魔法学院へ通うときに同じクラスでそばに付けるよう、学問と魔法を教えることにした」

「ということで、兄弟揃って世話になるよ、お嬢」

 ……意味が分からない。

 将来、リックと一緒に学校へ行くってこと?リックは2才も年上なのに?

「お嬢と同じ学校へ通うためには、学力だけじゃなく貴族の礼儀作法も覚える必要があるんだ。今から学んでも、入学まで間に合うか怪しいが、とても恵まれた機会をもらったよ。頑張るからな」

 ウソ~?

 なんか……予想もしない展開になってきたよ……?

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