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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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世界は違えど悩みは同じ

「まあ、流れ星に願い事をしていたの?わたくし達も行けば良かったかしら」

 翌朝、朝食を食べながら王妃さまがにこにこと仰った。

「あら、イライザは何を願いたいの?」

「それはもう、チーズよ、チーズ!アリッサが持ってきてくれたチーズを食べてから、ますます食べたい熱が高まっちゃって。あ、チーズじゃなくてアリッサが早く商会長になりますように、の方がいいかしら?」

 あらら。これは王妃さまのためにもっと商売を頑張らなきゃダメかしらん。

「チーズくらい、実家から送ってもらいなさいよ」

「いやよ、兄に頼みごとするなんて。……で、コーディなら何をお願いするの?」

「そうねぇ……」

 お母さまは首を軽く傾げた。私は少しわくわくして答えを待つ。お母さまはどんな願いがあるんだろう?

 するとお母さまは、恐ろしく真剣な顔になった。

「……やっぱりシワかしら」

「え?なんですって?」

「……最近、ほうれい線が気になるのぉぉぉ!」

「! コーディ、あなたの線なんて、うっすいじゃない!わたくしなんて……わたくしなんて、最近、目の下がたるみ始めているのよ!?」

「それはマッサージすれば、だいぶマシになるわ。あと、あと……目尻も少しシワがあるの。この頃、笑うのが怖くなってきて……」

「わかる!わかるわぁ……!」

 ───ありゃ。美容談義が始まってしまった。

 これは、前世の知識を使って美容液とか作った方がいいのかしら。でもなー、私、リップクリームとハンドクリームくらいしか使ってなかったからなー。

 えーと、えーと……簡単でいいなら、へちまがこの世界にあれば、へちま水が作れるよねえ。リップクリームは私も欲しいから、ミツロウで作れるかな……?

 考えていたら、アルが覗き込んできた。

「アリッサもシワの心配をしているの?」

「いえ。女性の肌悩みは世界共通だと認識したので、解決できないか考えています」

「……解決したら全女性の救世主になるね」

「私も将来、シワに悩みそうですからね~。今から対策を考えておくのも悪くないかも知れません」

「ううーん、僕としては40、50になってもシワのない女性は怖いけどなぁ」

「そうですか?まあ、でも確かに、シワの似合うカワイイお婆ちゃんになる方がステキですよね。とはいえ、小ジワが目立ちはじめたら、やっぱりジタバタしちゃうかも……」

「アリッサなら、きっと笑い皺の可愛い女性になるよ」

「ええ?そのシワは、アルのせいじゃないですか?!」

 昨日の夜、どれだけ笑ったことか。

 ……私達は小さい声でぼそぼそ話していたのに、お母さまと王妃さまにギロリと睨まれた。

「遠い話だと思ってるでしょう?そのうち、泣きを見るわよ!」

 いやいや、さすがに5才だからね。

 シワの心配は早すぎるってば。

……私はこの頃、眉間のシワが気になります。

これってつまり、いつも眉間にシワ寄せているってこと?

怖い顔をしているお婆ちゃんじゃなく、笑いジワの可愛いお婆ちゃんになれるといいなぁ。

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