初めて花冠を作っちゃいました
「うわぁ、ステキな花かんむりですね」
部屋に戻ったら、メアリーが目を見張って誉めてくれた。
「うん、キレイでしょ?すっごくたくさん、花が咲いてて感動しちゃった」
花冠なんて作ったことはなかったけど、アルが上手に作ってプレゼントしてくれた。ついでに作り方を教えてくれたので、私も作ってアルにプレゼントだ。
はあ。それにしても、まるでファンタジーな世界へ迷いこんだみたいに美しい花畑だった……。夢みたいだわ~。
それとこの花冠……枯れちゃうのがもったいない。
前世のプリザーブドフラワーみたいなこと、出来たらいいのに。ずっと取っておきたい。
メアリーは優しい手付きで花冠を持ち上げ、テーブルの上に置いて首を傾げた。
「色は褪せちゃいますけど、風の当たる日陰に干しておいたら、ドライフラワーになって飾れるんですが……そういうのって、公爵家のお嬢様にはくだらないですか?」
「えっ、ドライフラワーにできるの?じゃ、やる!ありがとう、メアリー!!」
私の考えが分かったのだろうか?
メアリーの素晴らしい提案に大きく頷いたら、彼女も嬉しそうに笑ってくれた。
はっ。そうだ。
メアリーには他にも言わなくちゃならないことがある。
「ところでメアリー。あの、ゴメンね?こんな遠いところまで馬で来させて」
花畑からの帰り道、アルは大きく揺れないようスウェインをゆっくり歩かせてくれた。なので、行きほどお尻は痛まなかったけど……メアリーは、3日も馬に乗ってきたのだ。きっと今、お尻が痛いはず。
するとメアリーはきょとんとした顔になった。
「王都では、お屋敷しか知りませんので、道中が楽しかったですよ!いい経験になりました。ありがとうございます」
「え?いや、馬に乗るのって大変でしょう?ていうか、メアリーは馬に乗れたの?」
「公爵家で働きだしたら、馬にも乗れなきゃダメだって言われまして」
……侍女が乗馬必須?私は乗っちゃダメって言われたのに?
お父さまの侍女必須技術の基準がよく分からない。
「今はあたし、わりと乗馬の腕はいいと思いますよ!いざとなれば、お嬢様を乗せて岩場だって駆け抜けます」
いや、それは遠慮したい。
───にしても悔しい。私だってカッコ良く馬を走らせたかったのに……メアリーは馬で旅が出来るほど乗れるようになって、一方の私はお尻を庇うしか出来ないなんて。
前世の映画では、俳優さんが軽々走らせているから、簡単に見えたんだけどなぁ。魔法より難しそうだよ、乗馬……。
ぶつぶつ呟いていたら、メアリーがドレスを持ってきた。
「さ、乗馬服は脱いで、イブニングドレスに着替えましょう。もう時間がないですよ」
「はーい」
そうだ。明日、アルに詳しく乗馬のコツを教えてもらおう。
誤字報告、ありがとうございます。
本当にもう、お手数をお掛けします。
なお、「…と言う」という表現の部分を「…とゆー」という書き方をしている箇所については、口語のくだけた口調を表現しているつもりでして、変更無しにしています。
たまに地の文でも、アリッサの心情なので「てゆーか」や「…とゆー」みたいな書き方をする場合があると思います。その辺り、ゆる~く読んでいただけると幸いです。
他の方の作品を読みだすと、自分の小説を書くのがストップしてしまい……最近、お尻に火がついて大変です。長編に手を出すのでは無かった……!
あ~う~、色々読みたい~。でも、書くのも書きたい~。読みながら書けたらいいのに~。
……誤字が増えたら、申し訳ありません。




