表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/350

魔法の練習を始めるよ!

 とうとう、この日がやってきました!

 魔法の勉強、開始で~す。魔法のある世界に転生したからには、やっぱ早く使えるようになりたいよねっ。

 大変かなと思ってた文字を覚える件は、案外、時間が掛からなかった。そして、ありがたいことに文法が日本語に似てるので、文章の読解は楽なのだ。これがもし、英語みたいな構成だったら、もっと時間がかかったんじゃないかな(英語、苦手だったし)。

 分からない単語は辞書を引けばいいだけだし、こうなればもう楽勝。

 図書室で、初級魔法の本はしっかりチェックしてある。こっそり持ち出し、皆が寝静まった夜中に練習をすることにした。

 なお、兄さまに聞いたところによると、この世界では魔法の勉強は10才から始めるらしい。学校へ通い始めるのが10才ということもあるし、小さいうちは魔力が安定しないからなのだとか。

 一人練習はいいけれど、ここでチート能力が発揮されて、ばばーんとでっかいファイアボールなんかが出たらヤバいかも知んない……ということで、倉庫から防御石や結界石というのを持ってきた。

 屋敷の防犯は、こういう魔法の込められた石を使うことが多く、倉庫には備蓄があるのだ(防御石などは1回の攻撃を防いだら壊れてしまうため、替えが置いてあるらしい)。

 さて、初級火魔法。

 蝋燭に火を灯すところから。

 指でパチンとして火が点けば、カッコイイよね~。

 そうそう、魔法は四種類の属性に分けられる。火、水、土、風。光と闇もあるらしいけど、ここ100年くらい、使える人はいないとか?

 でもって普通は、一人一属性か二属性。

 たまに全属性がいる。

 私が何属性か、学校へ行くまで分からないけど、この髪色だもん。始めはやはり、火でしょ。

 ま、最終的には全部試すけどね。


 火の点いていない蝋燭を置き、本にある通りの呪文を唱える。

 かざした掌に熱が集まってくるのが分かる。やはり私に火属性はあるようだ。

 蝋燭よ、灯れ!

 必死に念じてみるけど……ダメだ。掌の熱が掴みどころなく霧散してゆく。

 初日。

 頭が痛くなるくらい頑張ったけど、結局、一度も火は灯らなかった。

 いやもう、ファイアボールとか夢のまた夢じゃん?!


 ───蝋燭に火が灯ったのは、練習開始1週間目のことだった。それも、本当に小さな火で、すぐに消えてしまうほど。

 ううう、道のりは遠い……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ