乗り気ですと……?!
昨日、ブクマが300件超えて嬉しいな~と思ったところなのに、とうとう400件も突破しました。
こ、こんな、どこかで見たような異世界転生モノをたくさんの方に読んでもらえて感謝、感謝です。
のほほーんと80話近くまで来ましたが、まだまだ続きそうなので、今後はちょこっと陰謀に巻き込まれたりしていく予定です。
でもまあ、基本、異世界満喫ライフ中心で。ただ、もうちょっと恋愛要素は絡ませたいのに、ちっとも絡まない~。
遠風話がほんのり光り始めた。
使用説明書に書いてあった通りに、羽の部分にふうっと息を吹きかける。
羽がくるくると回り、「アリッサ?」とディの声が聴こえた。
「ディ!すごい、きれいに声がきこえるね!」
「ちょっと良い紙を使いましたもの」
ほほう。紙質が悪いと音質も悪くなるのか。
「あ、服の手配、本当にありがとう。助かりました~」
「……そうそう、それ。どなたに贈ったか、聞いても構わないかしら?」
「えーとね、うちの商会の王都店店長の息子さん。10才の誕生祝いに」
「ああ、そうでしたのね。アルフレッド殿下とサイズは違うし、一体誰かとやきもきしましたわ」
「ええ?殿下に服なんて、プレゼント出来ないよ!王城に専門の服飾担当がいるでしょう?」
「だって服をプレゼントするなんて!普通に考えたら殿下くらいしか思い当たらないじゃない」
?
普通に考えて、アルに服なんてプレゼントする?もし、服をプレゼントしたら、王城の服飾担当者にセンス悪いわよアナタ!って喧嘩売ることになりそうなんだけど。
「まあ、商会の関係者なら身内の延長ですもんね……ただ、服やアクセサリーは、贈る相手に気を付けるのよ?アリッサはときどき、予想外な行動を取るから心配ですわ」
「はーい」
……あれ?もう一人、世話焼きな姉が出来てしまった。おかしい。私が前世で高校生だったのは幻か?
「ところで、遠風話を使ったのは、アリッサの本音を聞きたかったからなのだけど」
「何の本音ですか?」
「エリオットのこと、どう思ってますの?」
わお。ド直球が来たな。
「エリオットも、ディも友達だと思っています」
「………………そうよねえ。そう返ってくると思っていましたわあ」
「父が、ウワサは誤解だと周知させると言っていました。ご迷惑をおかけし」
「迷惑じゃありませんの」
食い気味でディが遮った。
「エリオットは、案外、乗り気ですわよ。父も母も、アリッサならって言ってますし」
「へっ?!な、何に乗り気……??」
「もちろん、わたくしもアリッサが身内になるなら、大歓迎ですわ」
「ちょ、ま、待って!この間、泊まったとき、全然そんな雰囲気じゃなかったよね?!」
思わずでっかい声で叫んじゃったわ。
「だって、植物以外でエリオットが興味を持つなんて今までなかったんですもの」
「初めての友達で、エリオットも舞い上がってるだけです!まずは普通に、落ちついて、お友達の付き合いをしましょう!」
「貴族の結婚に夢なんてないわ。でも、エリオットとアリッサなら楽しい家庭を築けそうだと思いましたの。わたくし、全力で応援いたしますわよ?」
「わたし、いろいろ問題行動が多いので、まだ婚約話は遠慮しているんです」
「んもう。……まあ、エリオットもオススメ物件とは言えませんものね~。仕方がないわ、アリッサに相応しくなるよう、少し、調教しておきます」
……怖い単語が聴こえたけど、聴こえなかったことにしておこう。
オリバー兄さま……まだ結婚のこと考えなくてもいいって言ってたけど、ゆっくり考えるヒマがないよ……。
クローディア(ディ)が何故、アルフレッド王子のサイズを知っているのか?
……単純に、6才の王子と10才のマシューでは体格が違うからですね。
また、オーソドックスな礼服の注文なので、好きな相手に贈る物ではないだろうとディも検討をつけていましたが、明らかに男性宛てのプレゼント。これは絶対、確認せねば!と思っていました。




