じゃあ誰がいいかというと、難しい…
本日2回目の更新~。
だが、兄さまの話で、私は分かってしまった。
たぶん私は、アルフレッド王子のためにお母さまが産もうと考えた子なのだ。女の子なら、婚約者に。男の子なら側近に。
アルの誕生半年後に、第二夫人は第三王子ザカリー様を産んでいる。
お二人の王子を授かったとはいえ、優秀で陛下によく似た容貌のアルを、シンシア様はあまり良く思われていないという噂を聞いた。その上、生家のホッジ侯爵家は野心家だ。もしかしたら、アルの暗殺……なんてことも考えているかも知れない。
だからこそ、お母さまは私とアルを結婚させたいのだ。
なんか……そんな裏事情を知ってしまったら、悩んじゃうね……。
でも、それを隠して私の意思を尊重してくれる、お父さまとお母さまには感謝だ。そして、それを理解してなお、私に本当のことを話してくれたオリバー兄さまにも。
私は、兄さまを真っ直ぐに見た。
「ありがとう、兄さま。わたし、ちゃんと考えてみるね」
「うん。どういう結論を出しても、アリッサがきちんと考えた答えなら、兄さまは応援するから」
「分かった!」
「ちなみに……」
兄さまは少しだけ声を落とした。
「マシューのことはどう思う?」
「マシュー?!」
思いも寄らない名前に、ビックリする。
兄さまはハハハ、と笑った。
「子爵だから、侯爵家にでも養子に入れて順番を踏まないとダメだけど……父上が、どうやらマシューならアリッサを預けるには足ると判断しているみたいなんだ。まだ9才か10才だろう?父上に認められるなんて、たいした子だね」
うん、確かにマシューは頼りになる。マシューと一緒に世界を巡ってみたいなとも考えている。
でも……マシューと結婚?!
がっちり首輪を嵌められそうな気がするからイヤだ……。




