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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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一緒に悪役……?

 サンドイッチに手を伸ばしながら、アルに尋ねる。

「アルは、どのサンドイッチがお好きですか?」

「んー、肉が入ってるサンドイッチかな……」

 へえ。やっぱり男の子だなあ。

 私は、焼いた鶏肉が挟まれたサンドイッチをアルに手渡す。

「ふふ、アルは肉好きなんですね」

「最近、すぐお腹が減るんだ。だから、味より量重視になってる」

「そういえば、背がだいぶ伸びてますね」

 改めて、アルに視線を向けた。

 出会ったときは、私よりほんの少しだけ背が高いくらいだったけど、今は明らかに拳三つ分は高い。

 うわ、急に伸びすぎじゃない?!しかも、ひょろひょろっと細かったはずなのに、がっしりしてきたような?

 ……まさかキラキラ王子の腹筋が六つに割れてたりしないよね?

「いいなあ、わたし、あまり伸びなくて。背が低いままだったらどうしよう」

「アリッサは可愛いから、小さくてもいいと思うな」

「え!わたし、かわいくないですよ。悪役な顔じゃないですか」

 なにせ悪役令嬢。つり目気味だし、金瞳は虎っぽいと自分では思う。

「悪役って」

 ところが、アルは心からおかしそうに笑った。

「アリッサに悪役は無理だよ」

「……悪役です。将来、可愛い女の子をいじめたりするんです」

「そうなの?悪役というわりに、やることが小さいなあ。大体、アリッサは人を虐めるより、他のことに夢中でそんなヒマがない気がするけど」

「うーん……そう、かな……??」

 確かに。そんなことに労力を割くより、自分のことで精一杯な感じ……。

 でも私、悪役令嬢のはずだし。将来、急に、どうしても、ヒロインを虐めてしまうかも知れない。それとも、私に取り巻きが出来て、その令嬢が虐めるんだろうか?

 そういや、さっき、私が虐められたんだっけ。そんな私に取り巻きが出来るかしら……学校へ行って友達が全然出来なかったらどうしよう~。

 色々考えていたら、アルがぎゅっと手を握ってくれた。

「でもアリッサが将来、悪役になるなら、僕も一緒に悪役になるよ。二人で世界征服って楽しそうじゃない?」

 ありゃ?

 今日の王子は、本当にどうしたの?

 こんな冗談を言うなんて。

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