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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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オリバー兄さまがカッコいい!

 夏至祭のあと5日間は、目まぐるしい日々だった。

 前にドレスのデザインについて意見したせいか、この頃は、デザイナーから家族全員の衣装総監督に任命されている。ほぼ1ヶ月前に衣装やアクセサリーは決めたものの、直前になって「頼んでいたのと違う色のアクセサリーが届いた!」とか「靴のサイズが合わない」とか、トラブル多発で対応に右往左往。

 そして衣装のデザインに造詣が深いなら(実際は深くないのに!)、インテリアも出来ますよねと無茶ぶりされ、会場の飾り付けにも引っ張り出された。

 ……こういうの、本当はお母さまがするものだ。しかしお母さまは、基本的に見る専。綺麗なものを見るのは大好きだが、あれをこうして、これをああして……と案は出せない。

 それでも、今までは周りが助けてそれなりに何とかやってきたのだが。

 それが思わぬ“私”という適任者が現れ、皆、大喜びで祭り上げたってわけ。

 5才ですよ、私……?

 女主人の役割なんて、重すぎないですか……?


 兄さまの成人パーティーは、まず王都の屋敷で開く。

 陛下の名代として、アルフレッド殿下と王妃さまが来られるらしい。

 水龍公爵はもちろん、風龍公爵、地龍公爵も来られるそうだ。

 ただ、公爵家の長男だからこれだけ盛大であって、私ならもうもっと小規模になると聞き、ホッとした。私はここまで豪華に祝われるほどの人間じゃない。

 ───パーティー当日。

 オリバー兄さまの正装姿は息を飲むほど格好良かった。

 普段はお父さまと同じく細縁の眼鏡を掛けているんだけど、今日は掛けず、髪も上げて後ろへ撫で付けている。

 一気に大人な男性になった感じ。

「兄さま、カッコいい~」

「世界一?」

「はい、断トツ、世界一!」

「じゃあ、兄さまのお嫁さんになる?」

「うん!」

「ダメですぅぅぅ……!」

 兄さまが満面の笑みで私を抱き上げたら、婚約者のヘレナさまが涙目になった。

「他のお兄さまにして。アリッサちゃんがライバルじゃ、私、勝てない……」

「ヘレナさまが第一夫人で、わたしは第二夫人でいいです」

「兄貴、モテモテでズルいぞ!」

 私が兄さまの首に抱きつきながら言ったら、笑いながらセオドア兄さまがオリバー兄さまの背中を叩いた。

 オリバー兄さまはにっこり笑う。

「アリッサに一番って言ってもらえるのは今日くらいだから、大目に見てくれ」

「あーあ、僕も今日、成人したいな。僕が成人する頃には、アリッサは別の世界一を見つけている気がする~」

 今度はライアン兄さまだ。

 私は手を伸ばしてライアン兄さまの頭を撫で撫でする。

「アリッサの世界一は、ずーっと兄さまたちですよ?」

「うんうん。そうであることを祈ってるけどね」

 ライアン兄さまは泣き真似した。

 アナベル姉さまが呆れながら「さあ!もう時間がないから!」ととうとう兄さま達を追い立てた。

 は~、もうちょっとオリバー兄さまに抱っこされていたかったなあ……。

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