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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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魔法の粉の効力

 水龍公爵家の食事は、やや薄味だけど素材の良さを活かした料理が多かったので、魔法の粉は使わずにいた。

 が、今朝は双子が興味津々なので、二人のサラダに掛けてあげる。

 一口食べて、ディは「んん~っ!」と悶え始め、エリオットは目を限界まで丸くした。

「こ、これは、カールトン商会で売っているのか?!」

「え?売り物じゃないですよ。これは、わたし個人の……うーん、道楽?」

 なんて言ったらいいんだろう?

 悩んでいたら、真剣な表情のエリオットに肩を掴まれた。

「アリッサ。君は人生ゲームでもそうだが、何故、人気の出そうなアイディアほど世に出さないんだ。商品開発の趣味が聞いて呆れるぞ」

「そ、そう?」

 だってこれは、この世界のシェフに対する冒涜かな~って思ったんだもん。

 ディにも腕を掴まれた。

「これは、絶対、商品化して!いえ、うちにだけ分けてくれてもいいわ」

 あのー……目がギラギラしているんですけど、お嬢さま。

 なんだか魔法の粉が、危ない粉に思えてくる……。

 エリオットは粉の入った瓶を持ち、急ぎ足で父親のところへ向かった。

「どうした、エリオット」

 問い掛けを無視し、ルパート閣下の前にあるサラダに粉を掛ける。

 そして、ずいっと閣下に差し出した。

「父上!騙されたと思って一口食べてください!」

「な、なにを……今の粉は一体、なんだ?!」

「いいから、食べる!」

 仰け反る相手に、エリオットはフォークで適当に刺した野菜を強引に押し込んだ。

 あわわ。

 突然のエリオットの暴挙に、そばで控えていた召使い達がおろおろする。シェリー夫人も呆気に取られた顔だ。

 不気味な沈黙。

 しばらくして咀嚼音が聞こえた。

 再び、沈黙。

「……旨い」

 美貌の公爵閣下は、呆然と呟いた。



 その後?

 ええ、大騒ぎになりましたよ。

 水龍公爵家の執事からは、涙を流して拝まれるしね。

 てワケで屋敷に帰ったら、即、魔法の粉量産計画を立てなきゃ。これ、商売にするつもりじゃなかったのに~……。

以上、水龍公爵家一泊編でした。

そんな訳で今日から1日1回更新に戻ります…。

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