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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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父の実態を知る

「……ポーリーンを撫でたのか」

 ルパート閣下から、珍妙な生き物を見る目で見られました。えーん、その目はちょっと傷付くんですけど……。

 クローディアさまは、初めて理解者を得たからだろう、完全に舞い上がっている。くるくる踊っている様は可愛い。

 が。

 撫でたけど、私、トカゲは飼いませんからね?

 ここ、しっかり釘をささなくちゃ。

 エリオットさまには、「私の観葉植物も大概だが、ディのトカゲにも動じない君は本当にすごいな」と感心された。そうね、美形双子の思わぬ趣味を知ったら、これから先、どんなものでもドンと来いかも。


 テラスで夕食会が始まった。

 クローディアさまのトカゲ愛は止まらず、微に入り細に入りポーリーンの生態を説明されたので、私はトカゲ専門家になれる気がする。

 そして、あまりにも私がトカゲの話を丁寧に聞きすぎたからだろう。負けじとエリオットさまも観葉植物について熱く語り始めた。端から見たら、熱っぽく愛を語っているのに……愛の先が観葉植物だもんなあ。

 アリッサ、なんだか水龍公爵家の将来が心配になってきました。この二人、ちゃんと人間と愛を育めるのかしら。

 

 ルパート閣下がしみじみと宣った。

「お前達は、本当に仲が良いのだな」

「だから、親友だと言ったではないですか!」

 クローディアさまがムッと言い返す。

 うふ、親友。

 ルパート閣下は神秘的な色の瞳で、じっと私を見つめてきた。……いやだ、ドキドキします、あまり見つめないで。

「……アリッサ嬢は父君の色合いを濃く継いでいるが、性格はかなり違うようだ」

 確かルパート閣下は、お父さまより5才下と聞いている。これまであまり関わりはなかったって話だけど、どうなんだろ?

「大体、マクシミリアンが私の話を最後まで聞いた記憶がない……」

 あああ、それは失礼いたしました。

「父はせっかちですから……」

「公爵家持ち回りの仕事をすぐ私に振ってくるしな」

「ほ、ほんとですか」

「式典でただ立っているのは時間の無駄だと、私の水煙幻影魔法で影武者を作れと言われたこともある」

「……家に帰ったら父を叱ります」

 なんだ、それ。恥ずかしいぞ、お父さま!

「父、腹黒ですからねー」

「ああ、腹黒だ」

「話の論点をずらして、煙に巻きますからね。あれこれ言われる前に正論で一気に畳み掛ける方がいいです」

「娘でも容赦がないのか?」

「ありませんよ!常に腹の探り合いです」

「そうか……親は選べないからな。苦労をしたんだな」

 あれ?おかしいな。

 なんかルパート閣下から同情されちゃった。

 それなりにお父さまとは、良好関係なんですけど。

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