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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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たぶん、緑の妖精さん

 夏至祭は当然ながら夏の訪れを祝う祭だ。そして、それとともに無病息災を願う。

 王都では、花火が上がるらしい。

 あと、ルマという木の実を投げ合うのだとか。前世の豆撒きみたいなものかしらん?もっともこれは庶民が行うことで、貴族はしないらしいけれど。

 リックに聞いたところでは、カールトン領でも庶民は同じことをしているようだ。更に、街中に大きな篝火が焚かれ、その回りで一晩中踊るとか。

 他にもあちこちで楽器演奏や演劇などが行われるらしい。リックとテッドは魔物退治の演劇に出ると聞いている。うう、見たかった!

 クローディアさまのお誘いは心から嬉しい。

 でも来年は、ぜひ、領の夏至祭を楽しんでみたい。

 てゆーか、刺繍がなければね……本番はムリでも、リック達の練習を見に行けたのに!


 ところで、ちょっと気になっていたのだけど、水龍公爵閣下は自領の神事は春華祭くらいしか出席しないそうだ。領関係は、ほとんどが弟君の仕事なのだとか。公爵閣下は内務卿の職で忙しく、クローディアさまもエリオットさまも基本は王都住まいらしい。

 あれ?そういえば、うちのお父さまは公の仕事は何をやっているのだろう?お祖父さまの外務卿の職を引き継いだはずなんだけど……私、領と商会の仕事をしてるところしか知らないなあ?


 さて、水龍公爵家では、テラスで食事しながら花火を見るのだそうだ。贅沢~。

 それまで、エリオットさまのお部屋で過ごすことになった。

 男の子の部屋に入るのって初めて。ドキドキする~。(アルフレッド王子の5才までの部屋には入ったけどね)

 ドキドキしながら足を踏み入れたら、エリオットさまのお部屋は……ジャングルだった。

 正しくは観葉植物だらけ。天井からもぶら下がっている。

「うわあ、圧巻……」

 思わず感嘆の声を上げたら、エリオットさまは少し恥ずかしそうに視線を下げた。

「ここまで増やすつもりはなかったのだが……」

「エリオットさまがお世話してるんですか?」

「ああ」

「すごいです!」

 私は前世で小学生のとき、夏休みの宿題でアサガオの観察日記をつけなければならなかった。途中で枯れたので、仕方なくそこから想像の観察日記を書いた。もしあのとき、エリオットさまが兄だったら……きっと枯れずに正しい観察日記を最後まで書けただろうに。(宿題は、ちゃんと先生にバレて『想像賞』という恥ずかしい賞とともに大きな×をもらった)

「緑は、落ち着きますよね。とてもいいと思います」

 絶賛したら、ニコッと笑ってくれた。これこれ、エリオットさまのはにかんだ笑顔!胸にキュッってくるのよね。

 クローディアさまが呆れたように室内を見渡す。

「エリオットってば、水をやりながら植物に話しかけていますのよ?ちょっとどうかと思いますわ」

「あ~、でも植物は言葉が分かるらしいですからね。話しかけた方が、キレイな花が咲いたり美味しい果物がなったりするとか」

「本当か?!」

 エリオットさまが目を輝かせる。

 えーと、前世でちらっと聞いた話だけど、ウソではない……と思う。

「という話を聞いたことがあるだけです……あ、あと、音楽を聴かせても良いかな……」

「なるほど。今度、聴かせてみよう」

 エリオットさま、ウキウキだ。

 エリオットさまって……もしかして水龍公爵じゃなく、緑の妖精なのかも?

 そのうち頭から葉っぱが生えますわよ!とぶつぶつ言ってるクローディアさまに私は視線を移した。

「で、クローディアさまのお部屋はどんな感じなんですか?」

 途端に、クローディアさまの動きがピタリと止まる。

 あら?聞いちゃダメだったかしら。まさか汚部屋ってことはないと思うけど。

「わたくしの部屋は、あまり物が置いてなくて、面白みがありませんわ」

「……代わりに大きい生き物がいるがな」

「エリオット!」

 ??

 どういうことだろう?大きい生き物?象とか?

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