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護身術を習いたい

 今日は、お祖父さまに会いに行った。

 お祖父さまは、カールトン家本邸の敷地内に別邸を建て、そこに住んでいる。別邸の周囲は、ちょっとした森のような趣きで、別邸へ行くと小旅行した気分になる。

「可愛いアリッサ。よく来たのう」

 お祖父さまは、顔面崩壊しそうなほど笑顔になって私を迎えてくれた。

 その後ろには、お祖母さまもいる。

 どちらも見事な白髪だが、姿勢が良いので年を感じさせない。ちなみに、お祖父さまは金瞳、お祖母さまは青瞳である。

「お祖父さま、お祖母さま。これ、わたしがつくったの。たべてくださる?」

 会うなり、恥じらいの笑みを浮かべながら、クッキーを差し出した。

 お祖父さまの目が丸くなる。

「アリッサが作ったのか?!なんと!!食べるのが……食べるのが勿体ない!!」

「まあ、アリッサ。すごいわねえ」

 二人とも大感激だ。

 私を真ん中に挟んで、さっそくティータイムとなった。

「そういえば、アリッサ。最近、礼儀作法に勉強に頑張っていると聞くぞ。無理はしてないか?」

「してませんわ、お祖父さま。新しいことをおぼえるのが楽しいのです」

「そうか、そうか。さすがワシの孫。まだ小さいのに、しっかりしとるのう」

 お祖父さまの目が愛情で溶けそうだ。

 さて、そろそろ本題に入らなければ。

「あのね、お祖父さま。お祖父さまは、とてもお強いでしょ?アリッサもお祖父さまの孫として、強くありたいとおもうんです」

「どうしたんじゃ、いきなり」

 お祖父さまは、外務卿という役職にありながら、槍で国一番の称号を獲得したすごい人である。文武両道の見本だ。

 だからこそ。

「わたし……ごしん術をならいたいんです」

 分かってもらえると思ったのに、眉を盛大に寄せられてしまった。

「ダメですか?」

「うーむ、ダメではないが……訓練をするとアリッサのこの柔らかで愛らしい手や足にキズができるかも知れん」

「でも、万一にそなえたいです」

「うーむ、うーむ……」

 うなってばかりで頷いてくれないお祖父さまに代わって、お祖母さまがパンッと手を打った。

「アリッサはこんなにも可愛いのです。護身術を身に付ける方が良いに決まっているじゃないですか」

 これがいわゆる鶴の一声ってやつだろうか。

 さっそく次の日から私は護身術を習うことになった。

10話あたりで王子様と出会う予定なので、その辺りまで1日複数回更新します。

やっぱこういう話は、王子様と会ってからが本筋ですもんね。

その後は、1日1回更新になります。そんなに書き溜めていないので……。

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