婚約とか、結婚とか
更新、遅くなりました~…
アナベル姉さまが……婚約しちゃった!
で、学院を卒業したら、すぐ結婚するって。
……わーん、ショック~。
姉さまが、うちの家系の例に洩れず、好きな相手を見つけて結婚を決めたのは喜ばしいと思うの。でもね……お相手の方は、異国の人で、姉さまより十二も上で、平民。
別に差別とか、そういうのじゃないんだけど。
あまりにもいろいろと違う相手で、結婚して大丈夫かな?という心配と、結婚したら姉さまは平民になるから「これからは、アリッサさまって呼ばなくちゃ」って言い出してさぁ……。もう、ショック……!
イヤだよぉ、姉さまは姉さまなのに~。
「まあ!それはアナの冗談に決まっているじゃない」
「君は、本当に家族にべったりだな」
ディとエリオットに呆れられたように言われた。
今日、私は姉さまの結婚式のために、水龍家の商会に買い物に来ていた。まだ先の話だけど、姉さまに内緒でドレスを作る予定をしていて、ディたちに協力してもらうからだ。
なんせ姉さまは、平民の結婚だから別に式なんかしないわと言い出して、お祖父さまとお父さまを恐慌状態に陥れていた。
「せめて身内だけで、祝いの式を!」と騒ぐので(もちろん、私もそれには大賛成)、姉さまのお相手のヤンさんとも相談し、サプライズ結婚式を敢行しようと決めたワケ。
ちなみにヤンさんは現在、カールトン商会カフェの店長さん。
二年前にふらりとこの国に来て、うちのカフェの味を気に入り、「ここで働かせてくだサイ」と日参。最終的に姉さまの厳しいテストを受けて合格し、店員となった。それからメキメキと頭角を現して、いつの間にかカフェのメニュー開発には欠かせない人材となり―――とうとう、姉さままで射止めちゃったのだ……。
いや、正確には彼は普通に仕事をしていただけで、姉さまが勝手に気に入って猛アタックしたんだけどね。
ヤンさんからすれば、15才の姉さまなんて対象外だったことだろう。最初の頃は逃げ回っていたのを知っている……。
なお、ヤンさんは西の方にあるイードロ国の出身で、その国でもシェフだったそうだ。
でも、まだ知らない世界の味を知りたいと、各地を旅して回っていたんだとか。
……姉さま、将来、ヤンさんと一緒に世界放浪の旅に出たりしないよね?
姉さまは旅が好きな方ではないから、そんなことにはならないと思うけど。
「ドレスのデザインは、こんな感じでどう?それと、わたくしとアリッサでベールも作りましょう。アナのために刺繍をするの」
「う。……うん」
ディとの差が目立たないといいなぁ。
でも刺繍は、この国では愛情の証だもんね。がんばらなきゃ。
ちなみに、姉さまが婚約を決める少し前に、ディとエリオットも婚約した。
なんかねー……この二、三年で、オリバー兄さま・セオドア兄さま・グレイシー姉さまは結婚したし……急にみんな、先へ行ってしまったようで、少し寂しい。
まあ、まだアナベル姉さまやディたちは、婚約だけなんだけど。
「どうしましたの?」
「ううん。……ディも学院を卒業したらすぐ結婚するんだよね。今ほど気楽に会えなくなるのかな……」
「何を言っていますの。学院に入るまで、アリッサの方が領にいてばかりで、会えなかったじゃありませんか。わたくしは、結婚しても王都住まいですわ。いつでも会いに来てくださいな」
んんー……でも、ディの新居は……行くのが怖いよう、な?
ディの婚約者は伯爵家の三男で、現在、王城に勤めている文官だ。
それは別にいい。
ただ、ディと同じく無類の爬虫類好きらしい。なので新居には、爬虫類のための部屋を作るんだとか。
そのため、今から新居で雇う執事や侍女たちを探している。爬虫類好きでなくてもいいけど、爬虫類の平気な人を。
そのうち、夫婦で爬虫類専門の博物館でも始めそうだよねー。
……というワケで、行くのがちょっと不安だったりするのだ。
一方エリオットの方は、水龍家の遠縁の子と婚約。
その子とは会ったことがあるのだけど、穏やかで優しそうな子だった。エリオットと2人、ほわほわした感じですごくお似合い。
それにしても……こうやって周りの人たちがみんな婚約したり結婚したりすると……今までは別に結婚しなくていいやと思っていたけど、不思議とそういう気持ちが薄くなってくる。
だいたい、友達も他の級友たちも恋愛話の比率がすごく高いし。
たとえ婚約者がいても、誰それがカッコいい、あの人はあの子と仲が良い、一緒にランチした!とか、そんな話ばっかり。まあ、私も一緒になって盛り上がっているんだけど。
……それにさ。
考えてみれば私って、前世は彼氏がいないままだったのよね。今世、このまま結婚しないとしたら……それはやっぱり、ちょっと悲しいかも?
ちなみに!
アルは、いまだに婚約者無しだ。
だから学院でアルが一番人気だし、いずれ私とアルが婚約するのでは?という噂もなかなか絶えない。
だけど私は……それは無いと思っている。
アルは、マーカス殿下が王位を継ぐのを応援している。そのために、余計な障害とならないよう生涯独身を通す選択をしている……気がするのよ。この話になるとすぐ誤魔化すから、あくまでも私の想像だけど。
アルは……結婚したいとか、考えたりしないのかなぁ……。
来週は、お休みします




