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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ5才

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他の商会を見学!

 店長と打ち合わせのあと、マシューと一緒に周辺の商会を見て回ることになった。

 王都へ頻繁に滞在しているにも関わらず、街中は歩いたことがないのだ。しばらく王都へ来れないので、とにかく少し見学したいと我が儘を言わせてもらったのである。

 渋い顔をしていたお父さまと店長とは違い、マシューは満面の笑みで張り切っている。

 ちなみにこの頃、マシューと顔を合わせたら、帝国語で会話する決まりになっている。外国語を身に付けたいとマシューに相談したら、「まずは帝国語がいいでしょう」と言われたからだ。

 そんなマシューと手を繋いで(マシューは畏れ多いと拒んだが、これはお父さま命令だ。よほど私がフラフラどこへ行くか分からないと思われているのだろう)、まずは水龍公爵家のヘイスティングス商会へ連れて行って貰った。

 そうそう、私は栗色の髪に黒い瞳に変装している。あの髪と瞳の色は目立ち過ぎるのだから仕方がない。


 さて、ヘイスティングス商会は絹織物を中心に、女性向けの衣装や帽子、小物を取り扱っている店だった。

 まだ子供の私達が入ってきても、店員はみな、大人に対する接客と変わらぬ対応をしてくれる。

 マシューは落ち着いた態度で「妹の外出用の帽子を探しています」と説明し、私と一緒に棚を見て回った。

 どの帽子も繊細で美しい作りだ。刺繍やレースがとにかく細かい。色合いも淡く優しい色が多いように思う。

 ツバの広い外出用の帽子だけでなく、夜会で使用するのだろう、花やリボン、羽やベールの付いたかなり豪奢な帽子もある。見ているだけで華やかで楽しい気分になる帽子ばかりだ。

 明らかに自分には似合わない夜会用の帽子もさんざん見て回ってから、結局、シンプルな白い帽子を買った。外出用なら、私の場合、あまり飾りがない方がいい。すぐにどこかへ引っ掛けたり、落としたりしてしまうのだ。

 このまますぐに使いたいと言うと、店員のお姉さんは嬉しそうに微笑んだ。そして丁寧に私の頭に帽子を被せてくれる。

 その間に、マシューは支払いの手続きをしたようである。貴族の買い物はツケ払いが普通だが、私の正体を明かさないためだろう、どうやら現金払いしたようである。

 後でちゃんと返しておかなくては。


 その後、二~三軒回ってから評判のカフェでケーキを楽しみ、散策は終了となった。

 回れた軒数は少ないものの、なかなか中身の濃い商会見学になったと思う。

 マシューとも話したのだが、一番接客態度が良かったのはヘイスティングス商会だ。子供相手でも、とても丁寧だった。

 他の商会は、子供だけだと気安くなったり、おざなりになったりしている。

 どんな相手が来ようと、均一の接客が大切だよね、とマシューと再確認したのだった。

 ―――なお、帝国語習得の道は果てしなく遠そうである。私に語学の才能は無いかなぁ……。魔道具の翻訳機があったらいいのに。

やはり年齢設定に問題があったので、開始時の年齢を少しだけ訂正しました……。

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