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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ8才

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四龍の務め

 ラオムツァイト村から帝都へ戻った夜、お祖父さまとお祖母さまにイーザさんから聞いた話を打ち明ける。

 といっても、世界が他に5つもあるとか、そういう話ではなく……

「え?アリッサ、あなた、全属性の魔法を使えるの?!しかも、今、全属性の魔法が使えるのはあなただけですって?!」

「いつから、全属性の魔法が使えるようになったのだ?!生まれたときに測った結果は、風と火だけだったぞ?!」

 あれ?

 全属性が使えるって話、お祖父さまたちには言ってなかったっけ?

 慌てて記憶を遡る。

 んー……そういえば、ウォーレンさんしか知らない、かも?

 私が考え込んでいたら、お祖母さまが深い溜め息をついた。

「この件は、マックスも知らないのね?帰ったら、すぐに知らせなくちゃ」

「えと……あの、ごめんなさい……」

 身を縮めて謝ったら、お祖父さまが優しく抱き締めてくれた。

「謝ることではない。アリッサも、自身が望んだ訳でもなく、突然、天恵者としての知識を得たのだろう?それはどうしようもないことだ」

 そして私を離し、膝を折って私と目線を合わせる。

 どうしようもないことだと言いつつも、お祖父さまは、今までになく真剣で厳しい眼差しだった。

「しかし。―――大きな力を持つ者は、それに見合う責任も持つ。ブライト王国の四龍は、その昔、己が力を国を護るために使うと誓い合った。お前もその一員だ。自分の私利私欲に使わず、国のために使わねばならん。良いな?」

「はい」

「それにしても……膨大な魔力と、全属性の魔法か。図らずもその二つを持ち合わせたということは……いずれ、その力を使わねばならぬ未来があるということかも知れん。領へ帰ったら、今までとは違う魔法の訓練をせねばならんな」

 んんん?

 力を使わなければならない未来?

 それはちょっと、大変な事態かも知れないから、そんな未来は来ないで欲しいなぁ。

 私がほんの少し、渋い顔になったからだろう、お祖父さまは小さく溜め息をついて、頭を撫でてくれた。

「四龍は代々、魔力の一番高い者が跡を継いできた。それでも、もはや初代火龍の足元には及ばん。初代は、春華祭の儀式を短時間で一人で行っていたそうだ」

「えっ、あの大きな魔法陣の前で祈るやつ?」

「そうだ。あれは魔物を遠ざけ、春を呼ぶ古い魔法だ。火龍家は王国南部を受け持っている。今はもう、魔法陣に初期の頃ほど強力な力はないようだが……」

 ひえええ。

 つまり、最初の、超強力な魔法陣を初代さまはたった一人で作動させていたの?

 そりゃ、別次元の魔力量だわ……。

「昔は強力な魔物も多かったから、それくらい強くなければ、国を護ることは出来んかったのだろうな。……今は、そこまで必要はない。ないが、強い魔物がまったくいない訳ではないからなぁ。もしもの可能性を考え、それに備えるのも四龍の務めだ」

「はい」

 うん、そうだよね。

 海の魔物、強かったもん。

 慎重に頷いたら、急にお祖父さまに抱き締められた。

「しかし!しかし、アリッサを戦いの場へ出すなど……儂には耐えられん!!」

 ぎゅうぎゅう。

 うう、息苦しい……!潰れる~。

 ―――でも、ありがと、お祖父さま。お祖父さまの愛が、私はすごく嬉しい。

 その愛があるから。

 四龍の一員として、私も"もしも"の未来にちゃんと備えるよ!


 そのあと、お祖父さまか落ち着いてから。

 私が全属性の魔法を使える件は、アルは知らないけれどウォーレンさんは知っていること、私の命が狙われている件について、イーザさんには分からないと言われたことなどを伝えた。

 お祖父さまもお祖母さまも、今回のことはお父さまには必ず話すこと、だけど他の人には言わないこと!などをこんこんと説いた。

 はい。

 了解しました!

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! なんとなく強い魔物で思うのは、海の魔物は最悪海からは出てこれない個体もあると信じたいよね〜!   陸は陸地に城塞都市とか何かしらの守りを築けは何とかしのげる??かな 問…
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