帝都の観光……めっちゃしたい……!
途中での1泊を挟み、帝都へ。
その間、私はアルと、アルのお友達とずっと一緒の馬車だった(メアリーも同乗している)。
私のここまでの旅の話、ライアン兄さまとサフィーヤ義姉さまのことなどなど、私から話すこともいっぱいあったけれど、アルの話……というより、お友達の話も聞きどころ満載だった。アルの留学生活、楽しそう~!
私が目を輝かせて聞いていたら、リートが
「アリッサさまも、留学してきなよ。歓迎するよ!」
とニコニコ誘ってくれた。
「うん、私も留学し……」
「ダメです!お嬢さまは、歩いているだけで勝手に何か問題に巻き込まれるんですから!旦那さまが許可しません」
「メアリー……そんな、力いっぱい言わなくても」
私が答えかけていたのに、横からメアリーが口を挟んできた。
というか、歩いてるだけで問題に巻き込まれるって何。私はそんなにトラブルメーカー?!
「あと、帝都へついても、勝手にウロウロできませんから。帝都では必ず大旦那さまか、バートさまと一緒に行動してください」
「……リックやテッドでいいじゃない」
「リックやテッドだけで街は行かせないようにと、出発前に旦那さまから言われました。わたしもそう思います。特にテッドはお嬢さまに言いくるめるられますからね」
「…………」
ヒドイ。
ガックリしてたら、フロヴィンが面白そうに私とメアリーを見比べて聞いてきた。
「いいところのお嬢さまは自由が少なくて大変だね。下町なんて、行ったことがないでしょう?」
「まさか!」
今度も私が答える前にメアリーが口を挟んできた。
「カールトン領で、お嬢さまは下町を歩きまわってます。屋台のものも普通に食べていますし、ものすごく!下町慣れしてます」
メアリー。
普通は、侍女がこんな風に主を遮ってしゃべるなんて、ダメなことなんだからね。
私がジト~とメアリーを見たら、私の横のアルがくすくす笑った。
「まあ、アリッサは用心しすぎるくらい、した方がいいよ」
えええ~、アルまでそんなことを言うの?
ライヒトゥム帝国は、アルから手紙で教えてもらっていたけれど……木造の建物が多くて、ブライト王国とはまったく違う雰囲気だった。
道中のシンプルな家々なんかは、どことなく前世の日本の古い時代を感じさせる。ま、瓦屋根じゃないし、あくまでも雰囲気だけだけど。
帝都に着いたら、人が多いのにもびっくりした。
港も多かったけど、都も多い!
通りは広いのに、こんなに人と馬車が溢れているなんて!帝国の繁栄ぶりが良く分かる。
そして帝都には街なかにブライト王国ほど高い建物がないせいで、丘の上に建つ皇宮はどこからもよく見えた。
威容を誇る黒と白のツートンな皇宮はちょっと……ゲームでラスボスの待ってる城みたい。ところどころ金の飾りがピカリと光るから、余計にそう思っちゃうのかも。
それから帝都のカールトン商会も、ブライト王国とは全然、造りが違った。
カールトン商会だけでなく他の店もそうなんたけど、お店が開放的なのだ!
つまり……前世の日本の商店街みたいな感じ?
ブライト王国のお店は、扉を開けて店内へ入るけれど、帝国のお店は通り側が全面開口になっていて、中が丸見えってワケ。
雨対策だろう、軒は長めに作られており、まさにアーケード商店街!
そしてこの国でも、やはり万引きする人はいるため、店先に店員が2、3人立つのがスタンダードらしい。
うわ~、うわぁ、見て回りたいな~。こうなったら、お祖父さまもバートもみんな一緒でいいから、観光しなくちゃ!




