双子の掛け合いが超カワイイ
さて、4人で人生ゲーム開始である。
最初は明らかに乗り気でなかった王子も、途中から顔付きが変わってきた。
「……成績が悪くて留年だと?!」
「宿題をやり忘れて廊下に立たされ、一回休み……?」
王子とエリオット様は、魔法学園ルートに入ってから、なかなか進めない。普段、感情を表に出さない二人が何度もショックを受けていて、その顔が申し訳ないけど面白い。
一方、クローディア様は絶好調である。
「ふふふ、期末試験で最優秀者として表彰ですって」
「いや、ディがそれは無いだろう」
「ひどいですわ、エリオット!わたくしがバカと言いたいわけですの?!」
「いつも私より成績が低いじゃないか」
「こ、ここでそんなこと言います?!」
ああ~もう、可愛いな!
この二人のやり取りをこんな間近で拝めるなんて……友達になれてホント良かった。
なお、途中から私は一人だけ、魔法学園に入学するルートではなく、冒険者ルートに進んでいる。
「やった~、魔兎10匹倒した~!」
「……君は結構、激しい人生が好きだな」
次々と襲いかかる魔物との戦いに一喜一憂する私を見て、エリオット様が理解出来ない表情で呟く。
私はふふふと笑った。
「エリオット様も殿下も、もっと人生たのしんでくださいな。実際の学園生活だと、お二人とも体験できないでしょ、留年とか廊下に立たされるとか」
言われて、二人は顔を見合わせる。
クローディア様が微妙な顔をしているエリオット様を見て、幸せそうに仰った。
「まあ!もし、本当にエリオットが廊下に立たされるような事態になったら、わたくし、画家を呼んで絵に残しますわ!」
「うわ~、みてみたーい!そしてそれを、水龍公爵家に代々つたえるんですよねっ」
「それは冗談でも笑えない!」
エリオット様の悲鳴が響きわたり、王子も私もクローディア様も、大笑いをした。
その後、私は火竜に負けたが(炎龍公爵家の娘なのに!)、魔石鉱脈で大儲けしたりもして、なんとか2位でゴール。
やったぁ!
結果としては1位クローディア様、3位王子、4位がエリオット様である。
「くっ……。魔法学園の卒業にあれほど時間がかからねば、もう少しマシな結果になったのに」
「ホホホホ、それがエリオットの実力なのよ。わたくしの足元にも及ばなくて残念ね?」
「……もう二度と、ディの宿題は手伝わないぞ」
「え?イヤだ、エリオット。これはゲームよ、そんな心の狭いこと言わないでちょうだい」
前回以上にエリオット様とクローディア様と仲良くなれたし、王子もすっかり双子と打ち解けている。
嗚呼、良いお茶会になったわ~。




