第2回ゲーム大会を始めるよ!
エリオット様とクローディア様は、だいぶ早めにやって来た。
二人とも目がキラキラして、ゲームやる気満々だ。
可愛い。尊い。
なお、今日はアナベル姉さまもライアン兄さまも参加せず、私一人でお茶会準備をしている。といっても、招待客は水龍公爵家の二人と、アルフレッド王子だけだ。
だって2公爵家と王家の人間がいるお茶会なのよ?普通の神経の人間なら、気詰まりしそうじゃない?それとも、野心ギラギラな家はぜひ参加したいものなのかしら。
ま、私はまだ知り合いが少ないからね。他に呼べる人が思い付かなかったというのもあるけど。
エリオット様は、色とりどりの花と、本を持ってきてくれていた。
「君は他国の風習や文化に興味があると言っていただろう?これは、50年ほど前の冒険者の探険記だ。面白いと思う」
「まあ!ありがとうございます。うちには、こういう本が置いてなくて。うれしい~」
「少し表現が古いので、読むのが大変かも知れないが……」
「だいじょうぶです、本をよむのは好きなので」
「そうか。さすがだな。では、また違う本も見繕って持ってこよう」
クローディア様は、素敵な白い手袋とお菓子を渡してくれた。ツンと顔を上げながら、居丈高に言う。
「我が領では絹織物が盛んですの。この手袋を差し上げるわ。それと、こちらの焼き菓子は、うちの名産の栗をふんだんに使ってて……」
「うわぁ!おいしそうです!わたし、栗、大好き。手袋もありがとうございます。やだ、わたしもお二人に何か用意しておかなくちゃダメでした。はずかしい……」
「こ、これは素晴らしいゲームに関わらせてくれたお礼よ!気を使わないでちょうだい。そ、それに、わたくし達……と、友達でしょう」
さっきまでの勢いはどこへやら。急にもじもじと目を逸らすクローディア様。指をこねこねしている。
ぎゃー、ヤバイ!
鼻血出そう!めっちゃ可愛い~!
「はい!友達ですよね。わたし、まだお友達がいなかったので……お二人が初めてのお友達です」
感動に胸を震わせながら、思わずクローディア様とエリオット様の手を握り締める。
二人はそっくりな顔を真っ赤にさせて、「え、ええ」「う、うむ……」と恥じらいながら頷いてくれた。
最初は最悪なスタートだったけど、まさか友達になれるなんて。
前世の知識よ、ありがとう!




