意外と文通って楽しい
気が付けば、王都に1ヶ月ほど滞在している。
その間、3回ほどお茶会に呼ばれた。
全部、アナベル姉さまと一緒だったので、おとなしく、無難にやり過ごした。
一応、参加者の顔と名前は頑張って覚えたんだけど……全員、10才以下じゃん?大人になったら、顔がだいぶ変わって、分からなくなる可能性が高くて怖い……。
反対に、私みたいな珍しい派手な紅髪に金瞳って覚えやすいから、相手は私をすぐ認識しちゃうんだよなー。もっと地味で目立たない色合いになりたかったよ……。
それ以外は、商会で新商品(絵本と人生ゲーム)を製品化させることに全集中していた。
実は王子から何度かお茶会のお誘いがあったんだけど、この製品化がなかなか大変で、全部お断りしていた。お母さまは真っ青になっていたけどね。
でもさー、王城へ行くのって気が重いんだもの。アナベル姉さまもライアン兄さまも付いて来ないっていうし。
王子、私じゃなくて、もっと同世代の男の子を呼んで、友達を増やすべきだよね。
と言いつつ、人生ゲームが出来上がったので、エリオット様とクローディア様をお呼びすることになった。
今回は、そこに王子も呼ばねばなるまい。仲間外れで落ち込んでいたみたいだから。
ちなみに、エリオット様とクローディア様とは、人生ゲームの手直しの件で2回ほど手紙のやり取りをしている。スマホでの瞬時のやり取りしか知らない私には、この文通は新鮮で楽しい。返事を待つのも、意外といいものね。
ところでお父さまには、水龍公爵家の双子と仲良くなったのか?!と仰天された。お父さまを驚かせるのはなかなか無いので、偉業を成した気分だ。
しかも。
暖かくなったら、水龍公爵領に遊びに来てもいいわ!とクローディア様から言われたので、すごく楽しみなのだ。王都と自領以外知らないので、初の旅行かも。
てゆーか、よく考えたら私、前世でも友達の家にお泊まりしたことないんじゃない?
いや~ん、憧れのパジャマパーティーが出来るといいなぁ。
クローディア様のパジャマ姿。想像するだけで悶絶しそう……。
あとは……あとは、お互いに髪を結びあったり、恋バナしちゃったりとか。
……いや、まだ恋バナは早いかしらん。てゆーか、私、恋の相手いないし。